徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)

更新は超不定期です。書きたくなった時にふと書いてます。参考になれば幸いです、なんて言ってる人は信用してはいけません。参考になれば幸いです。

【かりぐらし恋愛】評価


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感想記事はここ

 


概要

・作品情報

ブランド:Asa Project

作品名:かりぐらし恋愛

発売年:2018

ジャンル:はしご生活恋愛ADV

URL:https://www.asa-pro.com/karigurashi/

 

 

・あらすじ

主人公の瀬戸田 拓真(せとだ たくま)は、幼いころ暮らしていた町に戻ってきた。
親元を離れ、一人暮らしをする為だ。

この町には幼い頃の思い出がいっぱいある。
いつか必ず戻りたいとずっと願っていた拓真は、
町唯一の進学校への編入試験合格を条件に、
念願の出戻り(+一人暮らし)を両親から勝ち取ったのだ!

以前住んでいたオンボロ一軒屋で、いざ新生活をスタートさせようとする拓真。
しかし、思い出の我が家は猛烈に老朽化が進行していて、とても住めるような状態ではない
ただの廃屋と成り果てていた!

学園に通う為には、どこかに仮住まいを探したいがなんせ金がない……途方に暮れる拓真。


そんな時、手を差し伸べてくれたのは昔の幼馴染達だった!!


ずっとは無理だが、暫くの間
幼馴染仲間の家にローテーションで寝泊りするという形なら、何とか家族の同意も得られそうとの事。
(中には嫌悪感をあらわに、絶対イヤだ!という幼馴染もいたが、それはそれ。丸め込む)
こうして奇妙キテレツ常軌を逸した、かりぐらしの『はしご生活』が始まった。

(公式より引用)

 

 

データ

・プレイ時間

8+4.3+5.1+6+5+(1+1.1)
≒30.5(時間)

※フルオート、同じシーンはスキップした上での時間です。

 

・構成

共通 → 個別


・推奨プレイ順

無し。好きなキャラクターからで良い。

 

・受賞(あれば)

無し

 

・主観的ジャンル区分(シナリオ/キャラ/抜き)

キャラ

※限りなく『抜き』の区分に近い。

 

・攻略難易度

低

 

・備考

無し

 

 

評価(/100)

各5点の全10項目で評価し、最終的にD〜Sでランク付けする。

尚、重要と考える項目は太字で表記し、点数も2倍とする。中でもストーリー展開は3倍(太字斜体)。

Hシーンの必要性に関してはサブ項目に過ぎないため、加算しない。

諸々の詳細はコチラに

また、キャラゲーの評価はあてにはなりません。理由についてまとめている記事がコチラ。

 

システム:4.5

システムボイス、フォント変更、テキスト調整等、多機能かつこれといって不足している点はなかった。

 

BGM,効果音等:4

曲数、バリエーションともにそれなりに豊富。

 

CG:4

SD絵含め、枚数としてはそれなりに多いと言える。

 

演出:3.5

EDがヒロイン毎に異なるものではないのはマイナス。しかし場面転換時の一コマ演出はかなり珍しく、好印象なものだった。

総じて3.5。

 

立ち絵枚数, 表情差分:4

差分もある程度はあり、基本的に表情とセリフの不一致はなかった。また、サブキャラにも立ち絵があった他、衣装差分も数パターン用意されていた。

 

キャラクターデザイン:3.5(×2)

表面的なキャラクターとは言い難いが、内面的な部分までを描けていることもない。

 

ストーリー展開(共通):4(×3)

テンポ感も良く、まとまりのあるシナリオではあった。しかし展開として、特別評価できる点も無いため、この点数とした。

 

ストーリー展開(個別):2.5(×3)

ひより:3

絢花:2.5

杏:2.5

理兎:2.5

(3+2.5+2.5+2.5)/4 = 2.625 ≒ 2.5

 

快適性:2.5(×2)

共通:4

ひより:2.5

絢花:2

杏:2

理兎:2

(4+2.5+2+2+2)/5 = 2.5

 

終わり方:3(×2)

全てのルートについて、妥当な終わり方。

 

完成度, クオリティ:2(×3)

特に完成度は高くなく、コンセプトがむしろ、シナリオの邪魔をしているように感じた。

 

Hシーンの必要性:4(×0)

なければ個別ルートの存在価値はないに等しい。

 

特別加算項目:None

 

合計:63.5/100

ランク:B

 

 

総評

とにかくギャグだけを売りにした作品。キャラゲーと言うには物足りない点が多く、特に主人公とヒロインの恋愛描写については一切無いに等しい。

また、ギャグ要素についても大味で、好みが分かれると思われる。

オススメはしない。

 

販売ページ⬇

(FANZA)

良くも悪くもギャグ全振りなキャラゲー。【かりぐらし恋愛】感想

 
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評価記事はこちら

 

 

前置き

特に無し。普段より恐らく短めな感想記事になると思います。

 

 

経緯 

今回は経緯を書こうと思います。

まず前提として、本作、というよりこのブランドについて私は知っており、いつかプレイしようと考えていました。

その理由としては、端的に言うと、言わずもがな本ブランドはキャラゲーの有名所だからです。

私は、割かし前からですが目標、というかちょっとした目的みたいなものがありまして、それが(比較的)有名ブランドの作品をプレイしてみるということです。

私は現時点で、大体40、50作品ほどエロゲをプレイしてきてはいる(記事にしている作品数はこれよりも少ない)んですが、それでもまだまだプレイしていないブランドの作品は多いんですよね。もちろん全部を網羅するというのはほぼ不可能です。ただ、ある程度有名なところの作品でもまだプレイしていないというものがいくつもあるんですよね。

そしてその多さというのは、やはり大区分としてはシナリオゲーが多いです。対してキャラゲーのブランドというのは割かし少ないです。

そもそも私がどうして、このような目標みたいなものを持っているかと言うと、これは視野を広く持ちたいというのが理由としてあります。

というのも、ブランド毎にやはり特徴というのはあります。とりわけ今なお作品を作っているブランドであればあるほどにその色は強いと思います。

これは割かし当然の事で、ブランドとしては、固定客を持ちたいからです。だから最近のブランドと言うのは『ここと言えばこれ』

みたいな端的な表現がしやすいものが多いです。これは何となく共感していただけると思います。

まあもっとも、そういったもの抜きで、単純に設立した時に『こんな作品を作る会社にしよう』というビジョンを掲げていたところも沢山あるでしょう。

ただ結果として、今なおこの業界で生きているところはそういった、ある意味で尖った、ある意味で分かりやすいところが多かったりします。

まあ、少し話は長くなりましだか、私が本作をプレイしたのもそういった理由からです。

かなり前のことになりますが、私は以前『キャラゲーなんてものはなんであるのか分からない』という旨のことを書きました。それは当時の私はシナリオゲーこそがエロゲーの存在意義だと考えていて、それに分類されないキャラゲーなんてものは存在しなくていいと考えていたからです。

無論、今の私もシナリオゲーは好きです。ただ、それは決して比較できるものではない。沢山の作品に触れる中で、今ではそう思います。キャラゲーにはキャラゲーなりに重視さるところがあって、シナリオゲーにはシナリオゲーなりの重視する箇所がある。それぞれには確かな長所があってその体験というのは互換性がない。

だからこそどちらも必要で、どちらが上でも下でも無い。

なので我々が語るべきなのは、どちらが好きかであり、優劣を決めることでも、まして必要性の有無を説くことでもない。

そんな当たり前のことに私は数年はかかりました。

ただ、そのうえでも一つ思うのは、キャラゲーと言えどもやはり程度の低いものが多い。

上述した通り、それぞれには異なる体験があるから上下関係がないというのが私の結論な訳ですが、その体験というものがあまりにも低俗なキャラゲーが多い。まあそういうのを私は抜きゲーと区分しているわけですが。

だからこそシナリオゲーの方が上であるかのように感じるというのはあると思います。以前の私がそうであるように。

ただ、繰り返しになりますが、やはりシナリオゲーとキャラゲー。この二つに上下関係は無いと思います。

それぞれがそれぞれに目指すべき努力と方向性が違いますから。

 

と、なんの話してんの?って感じですが、このブランドは今なお生きている数少ないキャラゲーの有名どころであり、また、キャラゲーの中でも小区分として『バカゲー』なんて言われるものを作るところです。私は特にそういった区分のものはまだプレイしたことはなかったので今回プレイしてみた。そんなところです。

そんだけの結論に話長すぎない?

はい。ちょっと疲れてるので許してください。なんて言い訳はさておき、以下本題。

※ネタバレを含みますので注意してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

本題

結論としては、予想より良かった所と悪かった所があったという感じですか。

 

良かったのは、ひとえにギャグですね。

本作の特徴として、上述しましたが『バカゲー』と区分されるものであり、ギャグ要素が強い作品です。

そして、この手の作品で一番恐れるべきなのが、そのギャグ要素がどの程度面白いか、ということになります。

たまにありますが、クソ寒いライターの渾身のギャグ(笑)みたいなものを延々と見せられて、『どう? 面白いでしょ?』みたいなやつは本当にしんどいです。

ただ、これは実際かなり難しいところで、端的に言うと『ギャグセンス』が無いとこう言った作品は作れません。それにもう一つ、時代的な感性の変化もありますから、その当時面白かったからと言って、数年後、数十年後に同じリアクションを得られるかと言うのはかなり怪しいです。まして、時事ネタ的なものを取り扱うとなると、この年数の差はかなり響いてきます。

本作は数十年という程前ではありませんが、やはりそれでも多少のタイムラグ的なものは感じました。

しかし、それでも笑えるところはいくつもありました。

もっとも、ルート毎にその差もかなり顕著で、これが『ギャグセンス』による差でしかないので、改めてこういった作品はやはり難しいと思いました。

 

また、キャラの個性もいい意味で尖っていて好印象でした。

個人的に最も気に入っているのは、みよりですね。

ただ正直、基本的にどの家の親もキャラが立ちすぎな程立っており、ヒロインより目立ってぃたと思います。

一つ好きなエピソードを挙げると、透子(杏の母親)が暇すぎて髪の毛の本数を数えていたところです。しかもこれがサラッと地の文で語られるのが面白い。普通に笑っちゃいましたし、透子らしさもある。センスを感じましたね。

しかし、個性的な反面、どのキャラも端的に言うと『ウザイ』んですよね。

娘のデートに同伴したり、グータラしてるだけの割に色々言ってきたり、男と言うだけで消臭スプレーかけてきたり。

めちゃくちゃ大味です。そしで私自身、外枠としてこの個性に関しては全く好きではないんですよね。

ただそれが結果として気に入っている。それはどうしてかと言うと、掛け合いによるものなんですよね。単体ではウザイだけのキャラクター達を、他キャラとのやり取りを通してそう見せない。感じさせない。むしろ、面白さへと昇華している。

これができるキャラゲーというのは実際のところ多くありません。この大味すぎるキャラクター達をきちんと制御できている。そして同時に、ギャグとして笑えるシナリオになっている。ここは素晴らしいと思いました。

だからこそ、四人の家を借りぐらしするという、構造としては非常にシンプルでありながら、一定の楽しさと期待をしながら見ることができたんだと思います。

実際のところ本作の面白さは、この家族たちに支えられていたところはかなり多いと私は感じました。

ただ、まあヒロイン同士のやり取りも親ほど大味ではないにしても、きちんと掛け合いとして楽しめるところはあったかなとは思います。もっとも、ここは基本的にギャグセンスという言葉になるでしょうが。

そんなヒロイン達に関してですが、一つ良かった、というか珍しいと感じたのは、ヒロインであることを前面に押し出してこないということです。

ここは本ブランドの一つ特徴なのかなと感じました。

これはどういうことかと言うと、もちろんギャグ要素の強い作品だからというのもあるんですが、そこまで女の子っぽさを出してこないんですよね。キャラゲー、特にイチャイチャすることに重きを置いている作品というのは基本的に、『主人公に恋する可愛い女の子』みたいなヒロインになりがちです。なので関係として、何となく主人公の方が上な雰囲気になりがちです。

その点、本作は、途中からは少しヒロインらしさを出してきますが、それも微々たるもので、周りや主人公に対してもガンガン攻撃的です。

これはかなり珍しいです。つまり、主人公の好感度を下げるようなことを言うヒロイン。主人公に好かれようとしないヒロイン。

基本的に全員、ヒロインと言うよりは友達という色が強いんですよね。まあ厳密には幼なじみなわけですが。

そしてそこから借りぐらししていく中で少しずつ主人公のことが好きになっていくわけですが、そこが悪いところの話に繋がります。

まず『主人公とヒロインの恋』みたいなものは全く描かれることはありません。

借りぐらしする中でヒロインは好きになっていくと書きましたが、実際それもかなり極端です。

『そもそもから好きだったのでは?』というぐらいにただ時間が経っただけでいつの間にか主人公に恋しています。

なんと言うか、グラデーションが全くないんですよね。0か100かという感じで。

主人公は特にそれが酷く、突然現れた選択肢前後で急に好きになるという極端さです。

これはギャグ要素に振りすぎた結果、そうせざるを得なかったという印象で、ともすればギャグが足枷となっているわけです。

バカゲーだからと無視すればいいのかもしれませんが、それでもキャラゲーである以上は、私はやはり『ヒロインと主人公の恋』はきちんと描いて欲しいと思いました。仮にそこが淡白であるとしても、それならそれでキャラクターの内面描写だったりというところに焦点を当てて欲しいと思います。

 

そんなわけで個別ルートに関してもまあ見ていられないもので、とにかく中身というものは一切ありません。

そもそも3/4のルートが付き合ってからも他のヒロインの家に泊まる生活を続けますが、(作品のコンセプトなのは分かりますが)普通に意味がわかりません。

選んだ以上、そうするぐらいなら主人公はお金を稼いで家を直すなりなんなりするべきですし、『他のヒロインのところに行っても何もするなよ』的なことをどのルートでも言ってきますが、そもそも行かせる理由はなんなんですか。

それなら『自分の家に住ませるべきでは?』と思わずにはいられません。仮にそうするなら、それなりの理由は用意しておくべきだと思います。つまり、そのヒロインの家に泊まれない理由です。

それもなく、付き合っているにもかかわらず、主人公に好意を抱いている他ヒロインの家巡りするのは気が狂ってるとしか思えませんでした。それだけ二人の関係も軽いものにしか思えないし、とにかく本作は恋愛なんてものは一切存在していない。そういったことをいちいち言う価値がない程に個別ルートには中身と言えるものが欠けらも無い。

主人公とヒロインは本当に互いのことが好きなのか?

そう感じさせられるほどに共通までと変化が感じられませんでした。

口で好き好き言うものの、実感として本当に二人とも好きなのかが全く感じ取れない。ただHするだけの関係にしか見えませんでした。

そしてここは上述しましたが、ルート毎の差がひどい。

本作は恋だったり、キャラクターの内側を描くのではなく、とにかくギャグに振った作品というのは話した通りですが、つまりギャグがつまらなければ見ていられないわけです。

故に、ここで言うルート毎の差というのは、つまりギャグの差。ギャグセンスの差です。

そうですね、いくつか思うことはありますが、書くほどの気力も起きないのでやめておきます。

 

あとは共通ルートについては個別と違ってシナリオと呼べるものがあったと思います。とりわけ、理兎を男と勘違いしていたことから喧嘩し、借りぐらししていく中で仲直り。そしてop、という流れは非常に美しく、短い中に起承転結がきちんと存在していました。その後の展開も、まあシンプルに借りぐらしを繰り返すだけではあるんですが、各家の家族との関係性の変化を描けていたのは良い部分だと感じました。

個別はこういった方向性というか、志向性というか、それらを持たない上に、悪い意味で個別ルートっぽさの薄いシナリオでしたから。

 

触れたいことはこんぐらいですか。予想はしていましたがやはりさほど書くことがありませんでしたね。

場面切り替わりで挟まれる一コマ演出?みたいなのは初めて見ましたし、好きな演出でした。

マジでそんぐらい。さよなら。

 

 

 

まとめ

バカゲーと言われる理由は分かったが、対してヒロインとの恋模様は一切期待できるものはない。

 

 

 

アレヤコレヤ
  • 菜々子好き
  • SD絵可愛い

【終のステラ】評価


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感想記事はここ

 


概要

・作品情報

ブランド:key

作品名:終のステラ

発売年:2022

ジャンル:キネティックノベル

URL:

https://key.visualarts.gr.jp/kinetic/stella/

 

・あらすじ

地球が、すでに人類の世界ではなくなってから久しい。
世界はシンギュラリティを起こした機械群に支配され、人々はその片隅で、息を潜めて生き長らえていた。

運び屋‘‘ジュード’’の元に、依頼が舞い込む。
それはシンギュラリティ機械群の影響を受けない、 少女型アンドロイド‘‘フィリア’’を輸送して欲しいというものだった。

世間知らずなフィリアの行動に嫌気がさしながらも、ジュードは旅を始める。
時には略奪を繰り返す人間から逃げ、時には機械群が闊歩する危険地帯を通り抜け、輸送依頼を果たそうとする。

少女は何度も人間になりたいと口にする。
遥か空の先に辿り着けば、アンドロイドは人間になれると言うのだが……?

(公式より引用)

 

 

データ

・プレイ時間

≒9.6(時間)

※. フルオート、同じシーンはスキップした上での時間です。

 

・構成

共通のみ


・推奨プレイ順

無し

 

・受賞(あれば)

萌えゲーアワード2022シナリオ賞

 

・主観的ジャンル区分(シナリオ/キャラ/抜き)

キャラ

 

・攻略難易度

無し

 

・備考

無し

 

評価(/100)

各5点の全10項目で評価し、最終的にD〜Sでランク付けする。

尚、重要と考える項目は太字で表記し、点数も2倍とする。中でもストーリー展開は3倍(太字斜体)。

Hシーンの必要性に関してはサブ項目に過ぎないため、加算しない。

諸々の詳細はコチラに

また、キャラゲーの評価はあてにはなりません。理由についてまとめている記事がコチラ。

 

システム:4

特別良かったと言う点はないが、困ることはなかった。また、チャプター機能や細かいバックログジャンプ機能があった。

 

BGM,効果音等:5

10時間にも満たない作品にもかかわらず、30曲と非常に豊富。またそのどれもが作品の雰囲気と合致しており、場面に適した物が使用されていた。

効果音についても、多くはなかったが必要な場面には使われていた。

 

CG:5

枚数も非常に多く、背景差分の数は圧倒的。また必要な場面には必ずあったと言える。差分の少なさによる場面との齟齬については気になったが、それを考慮しても5とせざるを得ない。

 

演出:4

そこまで演出というものを感じる場面は多くなかったが、決して全くなかったということもない。総じて4が妥当。

 

立ち絵枚数, 表情差分:2

本作はそもそも立ち絵のあるキャラクターは少ないが、その中でも特に重要なキャラクターの差分が不足していたことは大きくマイナス。

 

キャラクターデザイン:3.5(×2)

キャラクターによって差があるが、全体としてそれなりに高い水準にあるとは感じた。

 

ストーリー展開(全体):3.5(×3)(×2)

共通のみのため、また、前後半を分けて考えるような作品でもないため、全体で考える。

良くも悪くも普通という言葉が相応しいシナリオだった。

 

快適性:2.5(×2)

一部、明らかに快適性を損なう展開が何度もある。物語的な必要性を考慮して2.5。

 

終わり方:3.5(×2)

妥当なものではある。

 

完成度, クオリティ:4(×3)

ある程度はまとまっており、比較的高い方だと言える。

 

Hシーンの必要性:None(×0)

 

特別加算項目:None

 

合計:72/100

ランク:B

 

 

総評

とにかく普通という言葉に落ち着く。

全ての展開があまりにも予想通りのものでしかなく、ともすれば、そこに必要な助走も物足りない。

シナリオの構造としては平易で、話としてはまとまっているものの、それ以上に特筆すべき点があるとも言えない。

もう少しボリュームを増すべきだったと言わざるを得ない作品で、総じて凡作。

プレイすることは推奨しない。

 

 

販売ページ⬇

(DMM)

 

テンポよくまとまったシナリオ。しかしどこまでも期待値程度。【終のステラ】感想


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評価記事はこちら

 

 

前置き

特になし

 

経緯

特になし

※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

本題

さて、ということで本題ですが、所感としてはまあ予想通りだったなという感じです。と言うのも、本作の構造として世界か、一人か、という選択をする事になるというのは明白でした。

概要としては非常にシンプル。

主人公は、ちょっとしたきっかけで古代遺跡に眠るアンドロイドの回収依頼を引き受けることになります。その理由としては莫大な資金と、何より『人類救済』という大仰なワードに惹かれたからでした。端的に言うと、あたかも世界を救う存在に自分がなりうるかもしれないという、ある種の高揚感から依頼を引き受けることにしたわけです。

そして、その回収したアンドロイドと旅を共にして、無事依頼主の元に送り届ける。

これが本作の概要なわけです。

まずこの概要の時点で、世界か、それともフィリアか。それを選ぶ結末を迎えることはおそらく誰しもが想像できるものだと思います。

同時にもう一つ展開の予想ができます。

それは二人の目的地到達までの模様をどう描くかということです。と言うより、二人が衝突して、苦難を乗り越えて目的地にたどり着く。これはもう確定事項に近く、端的に言うと予定調和にも近いシナリオ展開なわけです。

そして事実、本作は、送り届けるまでのいくつかの苦難、そして葛藤。その果てに世界と少女という選択をする。

全てにおいてどこまでもテンプレート。どこまでも予想通りです。

これはとある作品でも触れましたが、プレイヤー目線、予想通りな展開を描きながらその期待値の上を行くことは中々にハードルの高いものです。なぜならシナリオにおける意外性というものは一切存在しないからです。

その上で、本作における絶対的なピークとも言える、究極の選択となる場面に向けてどう描くか、そこまでの助走をどう丁寧につけていくか。この手のシナリオにおいて何よりも重要と言えるのがそこです。

むしろこのジャンル(と一言に定義できるものではありませんが)における、質の違いはこの部分にしかない。

であればこそ、そこまでをどう描き、端的に言うとどう感動させるか。

全ての展開がテンプレートで、予想通りであるならなおさらに、どうその期待値を越えるか。分かりきっていてもなお、感動させることができるか。

繰り返しになりますが、本作においてとりわけ話すべき事項というのはこの1点でしかありません。

そもそも尺も極めて短いですからね。

 

少しだけ寄り道します。

この、尺の短さについては私は短ければ短いほどに良いと考えている、と言うのは少し語弊はあるんですが、同時に一般的に尺の長さを作品の評価する要素として考える人がいることも理解はできます。

払ったお金に見合うだけのものを提供しているか、という最も分かりやすい指標がゲームボリュームなわけですから。

つまり、5000円だの6000円だのする作品が、プレイ時間が数時間程度だった、なんてのは金額とボリュームが釣り合っていない。(もっとも、本作はその点で言うと極めて安価ではある)

だからそこはその作品について語る上で考慮すべき事項であると。そういう帰結になるわけです。

まあ普通に理解はできますよね。『高すぎるだろ』という話なわけです。まあそもそも、このエロゲというものは高すぎますから。

ただ、私はそうは思わないんですよね。もちろん、ある程度金額相応のシナリオが用意されているべきだとはおもいます。

ただ同時に長ければ長いほどいいのか、という話にもなります。この主張は極論ではありますが、長ければ長いほどに良い作品という意味合いになります。であればどれだけ展開がグダグダであろうが、退屈で冗長的に文章を書こうが問題ではない。

実際はそんなことはありませんよね。

作品にはそれぞれにその作品に見合った時間、最適な尺というものがあると私は思います。重厚に描くべき部分ではじっくりと時間を使い、スムーズに進むべき部分では簡素に。プレイヤー目線での体験を考慮した上で、その作品を最も素晴らしいものにするための最適なシナリオを書いていく。

その結果として、仮に短かったとすればそれはそのままにしておくべきだと思います。もしもそれを無駄に冗長的にしたり、引き伸ばしてしまった結果、作品の魅力が損なわれるのだとすれば、それは絶対に肯定されるべきではない。

長々話しましたが、要するに私は長さというのは決して重要では無いという主張です。むしろ、値段と尺は結びつけるべきではないというぐらいに考えています。

つまり、『この値段でこれならまあ十分』だとか『この値段に対してこれは物足りない』だとか、そういう見方はしたくないですし、そういった作品外の要素で、それを純粋に味わうことを邪魔したくないわけです。

ただボリュームという観点で言うと本作の尺は妥当だった……とはやはり言い難いです。本作はやはり短かった。と言うよりも、もっと描いておくべきだったと思います。

何をか、というところで本筋に戻りましょう。

上述した通り、つまり本作は、始まった時点で(そしてどこまでもテンプレートな展開であある以上は)向かうべきピークが明確に定まっているシナリオなわけです。

足りなかったと感じたのはそのピークへの盛り上がりのための描写です。

旅をする中で、主人公・ジュードとフィリアは何度も衝突を繰り返します。

それは現実を語る主人公に対して、夢を語るフィリアという構図です。

フィリアという人物は、元々の初期設定もあり、とにかく頭お花畑な少女です。

動物は殺しちゃいけない、人は撃っちゃいけない、と。本当に不愉快極まりないキャラクターです。まあ端的に言うと幼稚です。もちろん、それは初期設定もありますし、年齢的には少女と同じ程度ということもあります。そして何より世界を知らない。

だからこそどれだけ人類が醜いものかも知らない。故に稚拙で自分勝手な夢を語ります。

私は終始考えていました。フィリアというキャラクターをここまで愚鈍で、不愉快なだけのキャラクターにしている理由を。

結果としてそれは大した意味はなかったと思います。

このフィリアの愚かさは私が上述した以外の理由が一切ありませんでした。それが何よりも残念でしかない。

ここまで、ある意味で醜くフィリアを描いたことにこそ本作の大きなテーマが秘められているように感じたのですが、大したことはありませんでした。

そんなフィリアですが、本当にどうしようもない程に愚かです。その具体的なエピソードとしては主に三つ挙げられるでしょう。

まず古代都市ですね。フィリアは少女の姿を見つけ、後ろを追いかけた結果敵の部族に捕まることになります。何度も主人公が注意していたにも拘わらず。

その結果、主人公はその部族を根絶やしにするスケールで殺しまくり、フィリアを救います。

うーん。なかなかどうして語る気力が起きませんね。普通の作品すぎて。

とまあ、これについては私の中では一応許しはしました。なぜならフィリアはこの時点で人の醜さを知らなかったからです。つまり、一切の対話も通じず、一方的に攻撃してくるような人と出会ったことはなかったわけです。

だからこそ、この失態は許容しました。

ただここについて気になるのはむしろそれよりも『少女』についてです。

フィリアは少女が可哀想だから救いたいと、度々その主張をします。

だがその主張というのは相手を見下したものでしかありません。

少女は自分の意思で(あるいは偶然の結果として)、獲物であるフィリアを招き入れ、逃げようとする主人公たちの足止めをしました。つまり、どこまで行っても少女にとってフィリア達は敵でしかなく、同時に自分の境遇を不憫だなどとは思っていないんです。

しかしフィリアは言います。

あんな服装で、みすぼらしくて可哀想だと。

これはまあそのままの表現ではありません。ただフィリアが少女を可哀想だと感じた理由は、みすぼらしかったから。これには違いはありません。

これは、どれだけ傲慢なものでしょうか。私はとにかくこういった主張だけは許し難い。

勝手に見下して、勝手に同情する。これがどれだけ傲慢で、どれだけその人の人生を踏みにじる行為であるか。

このあたりを完全な善意として言っているあたりもまあ、フィリアという人物はどこまでも俗物ではあるわけですが、作品としてこれが善意という形で描かれていることは私には理解し難いものでした。

端的に言うと、持っている感性が異なる。共感できない。そういった薄気味悪さを感じました。

 

そして二つ目。

鹿を殺そうとする主人公の邪魔をした場面。

まあこういうことは挙げればキリはないんですが、ただこの場面において不快なのは、その場その場の感情でしか動いていないということです。

フィリアははじめ、人間になるために主人公について行くことを決めました。それがフィリアにとっての最大の目的なわけです。

そして食料がつきてきたから狩りをする主人公の邪魔をする。食事が取れなければ餓死する。目的地にたどり着けない。

フィリアがこの時邪魔をしたのはそういった、全体的な視点を持った上でのものではありません。ただほんのいっとき、可哀想だと感じたから邪魔をした。その結果自分の最大の目的が達せなくなる可能性が高いのに。

いや、キツイです。やっていることが低俗すぎますよ。

調理された肉は美味しいと食べ、その癖に、現実問題としてその肉を確保するための過程を見ては拒絶する。これ程不合理なこともないでしょう。

まあ、感情としては分かりますよ。

それに不合理であることを拒絶してしまってはいけない。それは私も理解はしています。そこに人間らしさなんてものが立ち現れるということも分かっています。

ただどうしてここまで露骨に足を引っ張らせるのかがただただ疑問で仕方ない。

私にはただ、初期設定だの、少女だからだの、世界を知らないからだのという理由に逃げているようにしか思えてなりません。思考停止して、フィリアをその程度のキャラクターと見限っているとしか感じられない。だからこのようなただただ不快なだけのキャラクターにしかならない。

もちろんジュードとの対比は分かりますが、にしてもあまりにもやっていることが浅すぎますよ。本当にその辺にある凡作のやることでしかない。その水準にしか落とし込めていない。

 

さて、少し長くなりましたが三つ目としては、デリラのところで捕まった場面でしょうね。

一度目は分かります。まだ知らなかったからと言えます。しかし二度目は勘弁してくださいよ。これじゃあ本当に何も学んでいない無能にしか映りませんよ。

捕まった後も本当の意味で悪びれる様子もなく、ただ殴られる主人公を庇おうとして、結果それが更に主人公を殴らせる行為に走らせる。

ほんっとに不快すぎます。虫唾が走る。

愚かであることと正義を掲げること。その違いがここまで理解できないものでしょうか。

 

とまあ、私はここまでフィリアについて散々魅力がない愚かなだけのキャラクターだと語ってきました。しかしこれは必ずしもそうではなかったと思います。

これは私が期待していた点にも繋がってくるのですが、フィリアがここまでただ不快でしかないのには一つ大きな理由があります。

それはフィリアには美学がないことです。 美しさが全く存在しないことです。

例えばこれまで主に3つのエピソードを取り上げました。これはフィリアがどれだけ夢を語る無能であるかという証明であると共に、ある意味では彼女の魅力とも言えるものでした。

例えば、分かりやすいのは鹿を殺すのを止めた場面です。

その後、フィリアは代わりに食料探しに積極的になります。

まあこれは最低限のラインではあります。

ただ、これでは弱い。結局動物は良くて植物はいいなんてわけのわからない理屈も非常に愚かでしかない。

彼女の魅力を示すなら、例えば以降、動物の肉は主人公しか食べない。そのような展開にしておけばどうだったでしょうか。

或いは、何かを犠牲に生きることが本当に嫌だと考えるのなら断食してみたり。

それだけの事をしてようやく、彼女のわがままは別の言葉に昇華できる。

フィリアのしていることというのがどこまでも幼稚でしかない理由はまさにここにあります。

自分勝手な意見を主張しておいて一貫性がない。その上、全ての後始末は主人公につけてもらっている。

つまり彼女自身はただ玉座からあれがしたいこれがしたいと駄々をこねているだけで、主人公はさながらそれに付き合わされる従者です。巻き込まれ、助けさせられ、結果、それでどうにかなっている。いえ、なり続けている。

だから彼女自身は一切自分の手を痛めることなく、主人公が散々痛めておいてそれでも尚、駄々をこねることを辞めない。

故にカノじゃの言動の全てにはまるで実態がなく、空虚でしかない。

これがもしも自分の手を痛めることを辞さなければ。その上でも自分の持つ美学を示すことができたならば。

たとえフィリアが愚かであってもそこには確かに魅力が伴います。それで一蹴するには勿体ないと言えるほどの、フィリアらしさが存在したはずです。

そうできなかったのは、作者自らが、フィリアをその程度のものだと見限ったことに大きな原因があると思います。

 

ゆえにこそピークにもさして感動できなかったというのはあります。

そもそもフィリアというキャラはとにかくフラフラしている。それを成長と表現して受け入れてあげることはできますが、私はそうできません。

少し話は逸れますが、何もせずとも許される存在というものを私は極端に嫌います。いえ、と言うよりは何をしても許される存在という方が正確でしょうか。

これがよく見られるのは、こども、とりわけ幼いキャラクターです。

まあ分かりますよ。こどもだから、幼いから。

私自身、それを許せればどれだけ楽になれるかと思うことはありますが、感情としてそれを許容することはできないんですよね。

もちろんこれが現実であれば話は多少は違います。しかし、物語の中においてまでそういった存在がいることは私には到底受け入れ難い。

なぜならそれはまるで、だから仕方ないよね。受け入れて当然だよね。と言われているように感じるからです。これはもちろん私の卑屈さもありますが、同時にこれは作者の逃げだとも思ってしまうんですよね。

つまり言い訳。そう見せることでそのキャラの限界を決めてしまっているように感じてしまう。だから嫌いなんですよね。

 

少し逸れましたが、フィリアはまさにそれですよね。

そんなフィリアは、終盤、主人公がある目的(つまり報酬のある仕事として)自分と旅をしていることに気付きます。

そして『人になる』ためという自分の存在理由とも言えるものを否定して、『仕方ないから行ってやる』という態度を取り始めます。ここもまた醜い。先程言った美学という部分になりますが、こいつの目的ってこんな程度のものなのか、というのが率直な感想で、私としてはひどく冷めました。ここまで散々振り回しておいて、文字通り船を下りるような発言をするというのは主人公も言っていましたが、自分勝手が過ぎるというものです。

例えばこれが主人公が騙していたというのなら分かります。しかし利害の一致した上で、二人はここまで旅をしてきたわけです。それが主人公に理由があったからというだけで自分の存在理由すら否定するというのはどこまでチープなキャラクターなんだと、呆れる他ありません。

ただまあここに関してそう切り捨てるだけなのは間違ってはいます。

フィリアのそれは本心ではなかったわけです。

旅をする中でフィリアは、主人公のことをまるで父親のように思いはじめていました。だからこそ主人公に目的なんてものは一切なく、我が子を愛するように、理由なくとも自分を連れてきてくれた。そう思いたかったわけです。

しかし現実として、そうではなかった。それがショックだったからそのような、これまた幼稚な言動に出るわけです。

ただなんでしょうね。この逃げている感は。

そもそも概して、(悪い意味で)このように年相応な人物というのは評価されていないように思いますが、それでも謎のリアリティに逃げてこのような幼稚さを表現する作品が多いのはどうしてなんでしょうね。まあこれが凡作と名作の違いといったところなのかもしれませんが。

そんなわけでフィリアについては、とにかく幼稚だったかなぁと。それに尽きます。

 

さて、おおよそ話したいことは終わりましたので、最後に良かった場面を挙げていきます。

まずは、島での車内で二人が銃をむけ合う場面ですか。

フィリアに対して主人公は愚直で、それでいて人間味溢れた魅力的な人物でした。

そんな主人公は、駄々をこねはじめたフィリアを連れていくためにある行動を取ります。

それは自分とフィリアの関係を『運び屋』と『荷物』という関係に戻すこと。

当初、主人公はそう決めていましたが、旅をしていく中で、また公爵からの要望もあり、フィリアを単なるモノとして見ることをやめます。

しかし、その結果として、主人公はフィリアのことをだんだんアンドロイドではなく自分の娘のように思い始めていました。

それはフィリアが主人公に父親となって欲しいと思い始めていた感情と、まさに同質のもので、そうなったしまった原因はフィリアと心を通わせてしまったことだと主人公は理解していました。

だからこそここでフィリアを目的地に連れていくために主人公は再び関係値のリセットをはかろうとします。

それはつまり、運び屋と荷物になること。フィリアをアンドロイドとして、モノとして見ること。

苦しみながらも、主人公はその行動を取り、果てには名前をつけなければ良かった、と言ってはいけないし言いたくもないはずの言葉を口にします。

この場面には、主人公の良さがよく現れていたと思います。

この二人が銃を向け合う場面、これまで銃を持つことすら拒んできたフィリアがはじめて人間に銃を向けるという意味でも、非常に印象的なものではあったんですが、ある意味では予定調和と言うか、まあ想像できるものではありました。

ただそこにきちんと物語的な重みがきちんとあること、場面が先ではなく物語が先にある結果としてこの場面が描かれていること、そこについては良かったと思います。

ただこの場面もその後すぐに仲直りしてしまうことでなんと言うか、少し物足りないものになってはいました。

つまり主人公の覚悟が、この後すぐに二人が仲直りしてしまうことで浅いものに見えてしまうんですよね。

もう一度葛藤して、ぶつかり合って、二人で前に進んでいくことができるのであれば良かったのですが、直後に仲直りしてしまうので、何か茶番臭いというか、結局場面先行になっている印象を受けると言うか。

 

他はなんでしょうね。

これも分かってはいましたが、世界よりもフィリアを選ぶという選択。ここはまあ何かもう語るほどでもないですよね。

要するに、娘と母親を捨て『運び屋』として生きてきた主人公がはじめて、その仕事よりも感情を優先した。フィリアが事実上、死んだような状態となって世界が救われるのならばそんなものは要らない、と。

まさに世界よりフィリアを選ぶ場面です。

いや良かったんですけど、何度も言う通り、このシナリオで想像できる展開であり、そこに付随してくるシナリオが、そして感情が不足していた。だから『まあそうだよね』程度の感想にしかならず、気持ちが爆発しない。

 

あとは最後の主人公が死ぬ場面ですか。

これも非常に申し訳ないですが、『そうだよね』という感想です。

分かりきっていて、期待値を越えない。それに尽きます。

感情としては理解できます。

主人公は最後の最後、ようやくずっと抱いていた想いを口にします。

それは『フィリアを娘と思っていいか』ということ。

それは旅の中で何度も感じて、その度に否定してきたものでした。

しかし、あの選択をした時から、あるいはさらに前から主人公の中でその感情を無視することはできなくなっていました。

だからフィリアを選び、余命70日程度という中で、教えられることを教えこんだ。

まるで親が子にするように。打算や見返り等ではなく。ただ我が子だからという理由で。

『子のためなら命を落とせるか』

フィリアがいつか言っていたものです。当時、主人公はそれを否定しました。いえ、否定と言うよりも、理由付けがなく、本能としてするその行為は決して称賛されるべきものではないと。

しかし最後、主人公がした行為というのはまさにそれと同じものでした。

『子のために命を落とせるか』

フィリアと主人公は決して家族ではない。血は繋がっていない。それでも、主人公はフィリアの為に命を落としたわけです。

そうして物語は幕を閉じます。

ここには確かに物語的美しさはあったでしょう。間違いなく評価できる部分ではあります。ただ、それ以上ではない。

 

さて、話もいよいよ終わりですが、最後にタイトルである『終のステラ』。この意味はなんだったのでしょうか。

文明は衰退し、結局世界を救わなかった。

『それでもまだこの星には人が生きている』

そんな言葉で物語は終わりますが、まさにこれが主張というところなのでしょうか。

私の勘違いかもしれませんが、ステラには惑星という意味があったと思います。

つまり、終のステラとは、終わる惑星。もしくは終わってしまった惑星かもしれません。

人類は衰退の一途を辿るでしょう。しかし、人はまだ生きている。希望よりも絶望の方が多い世界だけど、まだ終わってはいない。確かに希望はある、と。

そういったところでしょうか。正直なところそこまで深く考察はする気はありません。特別、何かメッセージ性を感じることもありませんでしたから。

まあもし追記することがあればまたその時に。

 

触れたいところはこれぐらいでしょうか。

一応最後に少し余談的なところを話しておくと、シナリオライターの方については知っています。というよりそれきっかけでプレイしたところはありますから。

私自身、この方の最高傑作をプレイしていないのですが、ただとにかく界隈では有名であることは知っていました。なのでその期待というところで言うと、かなり残念でしたね。

ただ、この退廃的な世界の解像度としてはきちんとしたものはありましたし、いちいち設定について齟齬というものは見当たらなかったと思います。

あとはとにかく文章が読みやすかったという印象はありますかね。

場面の描写はきちんとされていましたし、全体的なテンポ感もとてもよくできていたと思います。丁寧なところは丁寧で、逆にグダグダしそうなところは、ある程度ダイジェストにしたり。

なので、当然ながら実力のある人なんだろうとは思いましたが、シナリオについては上述した通り、予想通り過ぎたのは残念でした。

それとこれは世界観的な話ですが、AIというものを持ち出すと、やはり難しくなりますよね。ぶっちゃけ本作についてもそうですが、超常的な存在となりがちですし、ただそこに至るまでの経緯があったのである程度、私は納得できるとは思いました。

人類を人類とみなしていないことだったり、Ae型アンドロイドの存在理由だったりは、きちんとした説明がされていましたし、全体的に話としてはまとまっていたと思います。

 

というわけで終わりですが、背景だったり、chapter演出だったりは割と細かくて好印象でした。すみません、毎回この手のところは話が最後になるので、何か雑に言ってる感じが出るんですが、そんなことはないです。

疲れてるだけで。

あとCGはめちゃくちゃ綺麗だなあっておもいました。(小並感)

ただ、ジュードの死ぬというクライマックスとも言える最重要場面に、差分が少なくて描写との差異があったのは非常に勿体ないと思いました。これだけCG枚数が多いからこそになおさら。

 

そんなわけで終わり。

 

 

まとめ

とにかく期待通り。分かりやすくまとまっていたとは思うが、それに尽きる。

間違いなく良作ではなく、凡作。

 

 

りょ
  • 戦闘BGM好き
  •  

【Only you】評価

 


f:id:KazuD:20260625213135j:image

感想記事はここ

 


概要

・作品情報

ブランド:worthless_ink

作品名:Only you

発売年:2026

ジャンル:オンリーユーな学園恋愛ADV

URL:‪‪✕‬(公式サイトが存在しない)

 

・あらすじ

個性豊かなヒロインたちと忘れられない絆を育む、学園恋愛アドベンチャーゲームです。物語の鍵を握るのは、あなたの意志が形作る「選択」の積み重ね。

何気ない日常の会話から、少女たちの未来を左右する重大な決断まで、プレイヤーのあらゆる選択が彼女たちの運命を色鮮やかに、あるいは切なく変えていきます。

あなたが選んだその道の先に、一体どのような真実が待ち受けているのか。

物語の幕が下りるその瞬間まで、彼女たちの想いに寄り添い、見届ける覚悟はありますか。
(公式より引用)

 

 

データ

・プレイ時間

≒17(時間)

※1.クリック進行、同じシーンはスキップした上でのプレイ時間です。

※2. 大きくプレイ時間が前後する可能性があります。

 

・構成

基本的には、

共通 → 個別


・推奨プレイ順

特になし

 

・受賞(あれば)

特になし

 

・主観的ジャンル区分(シナリオ/キャラ/抜き)

キャラ

※シナリオと悩んだがキャラとした。

 

・攻略難易度

高

 

・備考

特になし

 

 

評価(/100)

各5点の全10項目で評価し、最終的にD〜Sでランク付けする。

尚、重要と考える項目は太字で表記し、点数も2倍とする。中でもストーリー展開は3倍(太字斜体)。

Hシーンの必要性に関してはサブ項目に過ぎないため、加算しない。

諸々の詳細はコチラに

また、キャラゲーの評価はあてにはなりません。理由についてまとめている記事がコチラ。

 

システム:2

基本的にクリック進行を推奨しており、オート機能も使えはするが快適とは言い難い。また、スキップ後に、ゲームの挙動が少し怪しくなる時もあり、その点もマイナス。

 

BGM,効果音等:5

BGMについては89曲と、このプレイ時間に対してありえないほどに使用されている曲数が多い。全キャラにEDがある点も大きく評価できる。

また、効果音についても豊富で、かなり多くの効果音が使用されていた。

 

CG:4.5

基本的に必要と思われる場面にはあり、差分も豊富。そもそもの枚数がそこまで多くは無いが、この作品の尺を考えれば十分と言える。

 

演出:5

とにかく凝っており、そのどれもが作品を盛り上げる上で効果的なものであった。

 

立ち絵枚数, 表情差分:5

枚数と差分ももちろんのこと、1テキスト内で複数表情変化があったり、キャラクターに動きがあったりした点も高く評価できる。

 

キャラクターデザイン:3.5(×2)

一部キャラクターを除いて、どのキャラクターも特別悪いと言うほどでもないが、深く描かれているとも到底言い難い。

 

ストーリー展開(前半):3(×3)

分類が難しいため、前半と後半で区別する。深くは言及しないが、前半は至って普通のストーリーという感じで、特筆して評価すべき箇所はない。

 

ストーリー展開(後半):3.5(×3)

シナリオ的には比較機良い方ではあるが、特筆すべき箇所はない。構造としては優れている。

 

快適性:4(×2)

全体を通して退屈と感じる場面は無かった。一部、快適とは言い難い場面もあるが、必要なものであることも考慮するとこの点数が妥当。

 

終わり方:4.5(×2)

ある程度妥当でもあるが、この作品の終わり方としてはこれ以上無いものだと言える。

 

完成度, クオリティ:5(×3)

間違いなく完成度は高い。

 

Hシーンの必要性:None(×0)

存在しない。

 

特別加算項目:5《ゲーム体験》

※間違いなく本作でしか味わえないゲーム体験があったことは素晴らしく、大きく評価できる。よって特別に加算する。

 

合計:80+5 = 85/100

ランク:S

 

 

総評

『ゲーム体験』。本作を語る上ではこの言葉は切り離せないもので、この体験は間違いなくこの作品にしかないものである。

シナリオに関しても、決して悪くはなくある程度王道ではありながらもある程度の水準でまとまっていた。

その他要素についても、とにかく手を抜いていると感じられる箇所がなく、あらゆる要素が極めて丁寧に作り込まれていると感じた。

無論、技術的な拙さを感じることは何度もあったが、ゲーム体験という点に関して言えば、確実にトップクラスだと言える。

万人にプレイを推奨できる名作である。

 

 

販売ページ⬇ 

(Steam)

確実に『Only』なゲーム体験。完全な無名、しかし名作。【Only you】感想


f:id:KazuD:20260625213227j:image

評価記事はこちら

 

前置き

特に無し

 

 

経緯

今回は珍しく経緯を書いていこうと思います。

と言うのも、こちらの作品、私にとってはかなり珍しいです。

何がかと言うと、まず本作ですが、率直に言ってプレイしている人はめちゃくちゃ少数でしょう。少なくとも私自信、実際にプレイするまで耳にしたことはありません。ではどうやってプレイするに至ったのかという話になるわけですが、そこがこれから書いていく経緯ということです。

私はSNSをやっていませんし、かと言って特別情報網も無く、例えばエロゲやその他ノベルゲームに関する情報を積極的に仕入れようともしていません。

まあそれでもこのネット社会ですから、割かし話題の作品なんかは自然と耳に入ってくるという事はあります。例えば直近で言うと、「めっちゃカメレオン」でしたか。あのゲームなんかは自然と知っていますし、ことシナリオ的観点で言うと「ミサイド」なんかはまあ少し前ですが、私の耳にも入ってきていました。

対して本作はどうかと言うと、上述した通り、全く聞いたこともなければ、まず間違いなく話題なんてことはありません。(レビューも一つもついていない)

となると、ますますどうして私のこの狭い情報の中で本作の存在を知り、そして更に、そのような完全に未知でしかない作品をプレイしてみるという事になったのか。

これには主に二つの理由がありました。

まず一つ目。

先程私は「これといってエロゲやノベルゲーといったものにアンテナを張っていない」と話しましたが、これは厳密には少し違っています。

私の情報元は、たまに見聞きするという受動的な行為と別に、不定期的に最近発売された作品を調べることがあります。これは本当に気まぐれでしかなく、だいたい一年に2、3回ぐらいです。

そのサイトはもちろん批評空間で、過去にとある作品を巡ってこのサイトの評価は当てにならないと私はキレちらかしていましたが、そういった評価というものを抜きにしてもこのサイトは相当に便利だと思います。

昔は私は主にその評価目的だけで利用していた(と言うよりそれ以外の用途を理解していなかった)のであまりありがたみを感じることはなかったのですが、エロゲというものをやればやる程にこのサイトがあってくれて良かったと思わされます。私がこうしてエロゲをプレイしているのも批評空間というサイトありきだと言っても過言では無いほどにこのサイトの存在は大きく、何より便利なものです。それは特に私が、情報網を持っていないからというのもあるとは思いますが。

 

と、少し話が逸れましたが、そんな数ある用途の一つとして、このサイトでは最近発売した作品について見ることができるんですよね。しかもそれをデータ数順だったり、点数順だったりして見ることができます。

もっとも、知っての通りエロゲは年数が増すほどに作品数が減少しており、2010年頃のデータ何かと見比べて貰えばあまりの差にもはや笑えないほどです。

逆にその頃との違いとしては、最近は同人作品の登録が増えているようには感じます。

ただこれも、探す上ではフィルターで分けられるので、あまり苦労はしません。と言うかそもそもそれを含めても作品数はかつてと比較すると限りなく少ないですから、全作品を軽く見ていくことに大した時間は要しません。

 

はい。分かります。

説明がいちいちくどいですね。

まあ要するに、私がこの不定期的にやる作業をする中で本作を見つけた。そういう話です。

ただこれだけではやはり、プレイしようなんて考えには微塵もなりませんでした。なぜならデータ数0でしたから。

例えばこれが発売当日というのなら分かります。が、本作は3月末頃に発売されており、私が批評空間で見たのは最近です。

発売から2ヶ月近く経っていて、データ数0。これははっきりいって興味が湧かないのが普通だと思います。

所詮私も俗物ですから、なかなか自分がファーストペンギンになりたいとは思えない。それに、そういった言わば無名の作品をプレイするよりもいくらでもまだプレイしていない有名作品かあるわけですから、まずそちらからやるべきだという考えもあります。

つまり、そこに回す余力がないんですよね。

それでも結果として私は本作をプレイしたわけです。

それはなぜか。

そこで二つ目の理由の話になってくるわけです。

私には本当に数少ない友人がいて、その中で唯一エロゲの話をする友人がいます。

まあ端的に言うと、その友人がプレイしていたからです。

Steamの機能として、友人のゲーム通知ってくると思うんですが、それです。私が別のゲームをプレイしていた時に通知が来た。そしてそれが本作だったわけです。

正直この機能要るのかという疑問はありますが、ともあれ、私はそのタイトルを見た時に「何か見覚えがあるな」と思って改めて調べたら批評空間で見たものでした。

ただ、私は本作について友人にその感想だったりというのは聞きませんでした。

もちろん、私の性格上、可能な限り事前情報を仕入れたくないというのはあるんですが、ともあれ流石にここまで完全に面白いのかすら分からない作品ともなると、話は変わってきます。

ただそれでも聞かなかったのは一重にある可能性を考えているからです。

それは「その友人が作者に当たるのではないか」ということです。

その友人と言うのは、エロゲよりは全年齢作品に興味があるタイプで、steamにあるストーリー系の作品はまあまあやっていると思います。(完全には把握していませんが)

なのでまあ、俗に言うスコッパー(眠っている名作を探そうとする人たち)の精神でプレイしたとしてもおかしくないと言えなくはないです。

ただ。それにしてもです。

さすがにレビューすらついていない作品をプレイすることがあるのかというと、それはそれで疑問ではあります。

かと言って、その作品を作ったというのもあまり現実味を帯びているとも思えない。

その友人は普通に働いていますし、それなりには忙しそうではあります。その中で密かに製作をしていた、というのは私の立場からするとあまり納得はし難い。

もっとも、私もその人の全てを知っているなんてことは全くありませんから、実は、ということもあるのかもしれません。 

まあ色々考えはしましたが、結論として私の中では、ほんの気まぐれで買ってみたというのが一番現実的なんじゃないかなあと思っています。

 

すみません。

かなり個人的な話になりました。

まあ結局その辺りの真偽は分かりませんし、私としては何となく、そこをハッキリさせたくないという想いもあります。

この記事を読んでいる方に一つ勘違いして欲しくないのは、その人が作ったかもしれないから少しでも広めたいなんて気は毛頭無いということです。

そもそもこの私の話自体、単なる仮定でしかありませんし、それに他の記事を見て貰えれば分かりますが、作品への評価や感想記事で、何かに配慮したことなんて一度もありません。

面白くなければ面白くなかったと書きますし、逆に良かったと感じたらそれを掘り下げる。

もちろん、そういった感想を書くに当たって、可能な限りその作品に向き合ってはいるつもりです。私自身、ろくにプレイもせず適当に批評するような存在は絶対に許し難いと考えているので。

度々言っていますが、作品に対して自分が感じたものを残すという行為は消費者の権利であると同時に義務だと私は考えています。

それは自分の為でもありますし、その作品のことを思うなら、その作品へのリスペクトを示すのであればすべき行為だと考えています。

まあそれらしいことを言ってますが、要は自分の考えと違うことを書くようなことはしない、というだけの話です。

 

と、まあ経緯としてはそんな感じです。

そして実際に販売ページに行って、概要を読んでいくと、思いの外、これは期待している物があるのではないかと考えそしてプレイするに至りました。

何か経緯でここまで長くなったのも珍しいですね。もっとも、7割ぐらいは余談ですが。

さて、そんなわけで本題に入ります。

※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

本題

というわけで本題、といきたいところなんですが、少し余談から入らせてください。

私はこれまで全年齢エロゲを記事にしたことは何度かあります。

全年齢エロゲとかいう矛盾しかないワードについては、何となく雰囲気で分かってもらえるとありがたいんですが、あくまで私の感覚としては、

エロゲを作っている会社が全年齢向けに出した作品

という定義です。

つまり少し前に記事にした「key」の「summer pockets」なんかがこれに該当します。(もっともkeyはかなり前から全年齢しか出していませんが)

つまり、シンプルな全年齢作品、とりわけdmmで販売されておらず、steamのみで販売しているような作品はプレイしても記事にはしてこなかったんですよね。

ただこれは、何らかのポリシーがあってのことというわけではなく、単に書くほどのものがあると思えなかったり、記事にする上で何を書けばいいか思いつかなかったからでした。

分かりやすい例でも無いかもしれませんが、個人的に記事にしなかったものとして一つ浮かぶのが「needy girl over dose」です。そういう、プレイはしたが記事にはしていないというのはちょいちょいあります。

まあ、そもそもエロゲというものにしかあまり興味が無いというのも事実ではあります。

それにしても、まさかsteamの作品ではじめに記事にする作品が有名作品ではなく、限りなく無名と思われる本作になるとは思いませんでしたが。

 

余談はこのあたりで。

本当に本題です。

まず率直に言いますが、めちゃくちゃ良かったと思います。

大前提、私の期待値の低さというのはもちろんあったんですが、それでも私が求めるものは十分、いえ十二分にありました。

商業作品が丸い形をしているのに対して、インディー作品というのは鋭利な形をしているとでも言いましょうか。

インディーらしさと表現すればいいのか分かりませんが、商業作品には無いもの、それを感じさせてくれるのがインディーの長所なんじゃないかなと私は考えていて、その観点において本作はあまりにも私の期待値を越えてくれました。

これは私がエロゲ、とりわけシナリオゲーに求めているものとも多少似通った部分ではあるのですが、端的に言うと「尖り」。それが確かにこの作品からは感じられました。

同時に私としては、本作は「エロゲをプレイしている人にこそ刺さる作品」なんじゃないかと思いました。厳密にはキャラゲーと言った方が正確ではありますが。

少なくとも私は、あまりキャラゲーに触れていない人が本作をプレイして感じ取るものと、沢山プレイしている人が感じ取るものでは大きく差があると思います。

と言うのも、本作でゲーム内に閉じ込められる、いえ、違いますね。強制的に進行不能にされるというほうが正確ですか。

この原因というのは、プレイヤーの選択、と言うよりはキャラゲーというもののもつ構造によるものです。

要するに、恋二が我々プレイヤーを進行不能にした理由は「全員を攻略したから」なわけです。

しかしこれは我々プレイヤーからすると至って普通の行為でもあります。中には自分の好きなキャラのルートだけをやるというプレイヤーもいますが、多くは全ルートをプレイします。そしてそのことに疑問を抱くことはない。

しかし、その世界の人間がそれを知ってしまったらどうでしょう。

恋二はゲームのバグによって他ルートの記憶を持ってしまいました。本来、我々プレイヤーしか持ちえないはずのものを。

つまり、我々が1人のヒロインのルートをプレイした後に、他ヒロインのルートをプレイしていることを。伊波、双葉、桃音という三人を攻略しようとしていることを。

端的に言えばメタフィクション。過去にもこういった作品はいくつもありました。

しかし、本作におけるそれは確かに筋が通っていると感じるんですよね。

そして、そんなプレイヤーという存在は、更にバグを引き起こし、存在しない橙香ルートに進もうとしている。自分の親友が穢されようとしている。

我々からすればそんなつもりはありません。しかし恋二からすれば、その世界の人間からすれば、これはどれだけ傲慢で恐ろしいことでしょうか。

私自信、橙香ルートに派生した時にはワクワク感こそあれど、それが咎められる行為だとは思ってもいませんでした。その派生するという構成に感心こそしていましたが。

そして、だからこそ恋二は止めたわけです。自分がどれだけ悪になろうとも。

強制的にゲームを進行不可能にすることで、結ばれる未来に到達させないようにしたわけです。それしか親友を守る手段がなかったからです。

だから主人公の視点を通してゲームに関与する我々を止めるために主人公を拘束し、閉じ込め、我々をゲームから追い出そうとした。

行為としては至極真っ当なものではあります。

くわえて、恋二について良かったと感じたのは、あまり同情を誘うようにはしていなかったことです。

こういった立ち位置、安い作品であれば我々プレイヤーの同情を誘うような振る舞いをしがちだと思います。対して恋二という人物は徹底的に悪でした。と言うよりも悪でいようとしたというべきでしょうかね。

まあ終盤はそうでもありせんでしたが、それも納得のできるものだとは思いました。つまり我々プレイヤーの行動を見て、親友を守るべき敵ではないことを理解したから協力的になったと。

そうしてそんな恋二だからこそ最後の選択に意味が出てくるわけです。

最後。

プレイヤーは選択を求められます。

それは橙香を選ぶのか、恋二を選ぶのか。

これは普通に考えれば橙香を選ぶしかありません。何故なら我々がずっと恋二からの苦痛にも耐えて、主人公を修復して、ようやく掴み取ったわけですから。

しかし、恋二も悩むことができる。なぜなら恋二の行為に納得できるものはあったし、最終版には恋二はプレイヤーの為に手を貸してくれたわけです。その結果、自分が消えると知っていながら。

そんな悪であろうとしながらも、確かに優しく、誰よりも人間味の溢れるキャラクターである恋二との二択。

だからこそ迷うことができる。痛みを伴うことができるわけです。

久しぶりにこれは痺れましたね。過去、この二択で迷った経験はありましたが、それを思い出しました。

本作はとにかく、こういった選択の重さみたいなものを重視しているように感じました。

とりわけ恋二に監禁されてからはまさにそれで、選択することに一つ一つ慎重に考える必要があったんですよね。

なぜならセーブもロードも使えないからです。だからやり直しが効かない。失敗したらどうなるか分からない。

故に一つ一つを真剣に考える必要性が出てくるわけです。

その事は本当に私自身、プレイする中で度々思いました。

私がエロゲをプレイしている人に刺さる、と言ったのはこういった部分もあります。

 

続いてシナリオについて、と言いたいところですが、正直、ストーリーについてはそれほど触れるべきところは多くはなかったかなと思います。

まず前半と言いますか、橙香ルート前については、共通から少しずつ派生して行って、各ヒロインと結ばれる。

そのヒロインとの個別パートというのも正直かなり薄く、よく言えばテンポが良い、悪く言えば淡白。そんな感じになるでしょうか。

ただ本作に関して、全体をプレイした上で考えるとこの程度の薄さで良かったようにも思えます。

というのも、言ってみれば本作においてこの三人のルートというのは主軸では全くないわけです。

むしろこれを前提としてその先の展開にこそ意味があるわけで、そう考えるとむしろ限りなく妥当な尺でもあったとも言えます。ただ、まあ私としてはその後の展開を考えてももう少し三人のルートが濃くても良かったとは思いますが。

その後の展開と言うのは、主人公の修復過程のことで、橙香を選ぶために三人を振る選択をするわけですが、そこの苦しさですよね。

この選択は、三人への想い入れが強ければ強いほどに大きな痛みを伴うわけです。

が、本作の場合、この三人への想い入れが強くなるほどのものは描かれておらず、ゆえにこそ、この選択には痛みと言えるほどのものはない。

まあとは言え、構造としてはよくできていたとは思います。

この三人を振るくだりもそうですし、その前のそれぞれとの記憶を取り戻すことに関してもそうですが、これらによって、作品的な価値が確かに存在しているんですよね。

と言うのも、端的に言うと本作において橙香ルート前と言うのは導入にも近いものであり、立ち位置としてはおまけというほど薄くはないにせよ、主軸というものでもないわけです。

ある意味で前座的な立ち位置なわけですが、そこにもきちんと作品的価値を生んでいる。あるいは元々そういったつもりだったのかもしれませんが、少なくとも結果として確かに必要な存在としていること、これは構造としては優れたものだとは思いました。

 

はい。シナリオについては触れておきたいのは割とこんなぐらいです。

あとはまあ、一応三者三葉な結ばれ方だったと言いますか。割とキスして終わりってとこはまあ王道な感じでそこに関しては全員同じなんですが、二人の関係性という部分については差別化できていたと思いました。

エンド後のアフターストーリー的なものもそうですが、きちんとその二人らしさ、みたいなものはあったのかな、と。

まあ上述した通り、結ばれるまでの尺の短さもあるのであくまで強いていえばぐらいのものですが。

 

あとはそうですね。

全体的にですが、普通に見ていて退屈はしないシナリオだったと思います。

これは割と上から目線なニュアンスを含んでいるように感じるかもしれませんが、純粋に褒め言葉です。

まず橙香ルート前についてですが、

突然学校の施策として部活動を作るように言われる主人公。

何とかして双葉、伊波、桃音と部活を結成。

部活動をしていく中で、少しずつ恋心が芽生え、結ばれる。

こんな話です。

至って普通、至ってありがちなんですが、それでいいと言いますか。

無難なことが良いというか。綺麗にまとまっているとは思います。少なくとも私は退屈せずにプレイできました。

 

そして橙香ルート後。

ここについても、まあ王道だとは思います。

親友だった二人が、橙香の秘密を知ったことから少しずつ距離が近づいていき、好きになる。

しかしその想いが通じ合うことはなく、主人公が想いを伝える前に橙香は緊急搬送。

医者からはもってあと数日と言われ、主人公は想いを伝えられなかったことを悔やみ続ける。

そんな中、一通のメッセージが。恐る恐る確認するとそれは橙香からのメッセージで、主人公の願いが通じた結果か、橙香は奇跡的に目を覚ましていた。

そして結ばれる……とはならずに恋二に刺されて監禁されるわけですが、ここもまあ十分に妥当なシナリオだったと思います。主人公と橙香の過去、主人公の家族との過去等、王道ではあるんですが、決して安いと切り捨てられるものでもなく、良いか悪いかでいうと間違いなく良いとは思います。

ただやはり、あくまで無難。あくまで予想の範疇ではあるというのが手放しには褒められるものでは無い。

 

まあいずれにせよ、下手に面倒くさくせずに、分かりやすくそれでいて退屈しないシナリオだったというのは十分に評価に値すると思います。

 

 

あとはゲーム性という話でしょうね。

私は本作の魅力は、シナリオではなくそのゲーム性、と言うよりもゲーム体験にあると考えています。これは実際にプレイしなければおそらく分からないとは思いますが、実際、そこを重視していると思える箇所はいくつもありました。

 

まずは全体的に見られる選択肢の多さです。しかもその選択肢というのが基本的に、

選択肢 → 選択肢

という構造で、つまり全パターンを網羅すれば当然いつかは正解は引けるわけですが、そうするのはあまり得策ではない。

ではどうするか、と言うとこれはシンプルで基本的に全ての選択肢は単なる運ゲーではなく、明確に正解が用意されています。

つまり、我々がすべきなのはただしらみ潰しをしていくのではなく、ある答えを探すことなわけです。

これについては正直賛否両論あると思います。

ただ私としてはこれは大きく賛同です。

過去に私は、意味のない選択肢はもはや用意しなくていいのではないか、という話をしました。実際今もそう思っていて、特に多くのキャラゲーなんかはもう選択肢なんて一つもなくて良いようにさえ思います。

本作に関して言うと、意味の無い選択肢ではなく、まあ端的に言うとゲーム性の伴った選択肢なわけです。

そしてこれは実際、構造としては確実に面倒で、複雑にするということはそれだけ、その選択をした先のものを不要であるにも関わらず用意する必要があるわけです。

つまり本作はそういった、言ってしまえば無駄になることに努力をしている、手を抜いていないわけです。

私はそこを評価したいと思いますし、何よりゲーム性のある選択肢であったため、長所だと感じました。

 

そしてゲーム体験というところで言うと、何よりも監禁された後の部分に関しては触れないわけにはいかないでしょう。

上述した通り、ここの部分に関しては選択するという行為全てに緊張感が伴います。

これはセーブもロードもできないというのもありますし、我々は途中から全ての行為を禁止されます。全て、本当に全てです。

テキストすらも自動で進行していき、できるのはただ恋二の目的であるゲームをやめることだけ。

そんな中で、圧倒的に主導権を握られているからこそこの選択一つ一つを大事にしなければならないという意識を自然と植え付けられるわけです。

抜け出すまでもそうですし抜け出したあとも、絶対に間違えられないという緊張感と時間制限の中(多分)で答える緊迫した雰囲気。

結果としてどちらにせよ手の上で踊らされていただけだったわけですが、この体験というのは本作の中でしか味わえないものがあると思います。

そして、今少し触れましたが、「こうしたらどうなるんだろう」という選択は徹底的に許されていない。これもまた選択の重さに直結していたと思います。

例えば先程の抜け出した後もそうですが、時間制限があったのかは分かりません。なぜならそれを確認することはできないからです。と言うよりも確認することが怖いという方が正確かもしれません。

ADVゲームをやってきた人間であればあるほどに、まずは間違えていそうな選択から潰していきたいと考えるのが自然だと私は思います。少なくとも、私はそういう考えではあります。

ただ本作においてそれはできないんですよね。なぜなら主導権は我々にはなく、失敗したらそこからやり直し、なんて救済措置があるとは思えないからです。

これを失敗したらどうなるのか、という興味はあれど、それを実行することはできない。

その最たる例が、復元する前のシステムに入力する部分ですよね。

この部分は、私も何度も何度も確認して慎重に入力したと思います。

……と言うか、ホントよく出来てますよね。書いていて感心が尽きません。

キャラの名前も元々こういうつもりでつけていたんですかね。だとすれば率直にすげえなって感じです。

 

この監禁された後の体験については、正直言葉にするのは難しいと言うか、百聞は一見にしかず過ぎると言うか。

とにかく私は、素晴らしい体験をさせて貰えたと思いますし、これはおそらく本作でしか味わえないものだと感じました。

 

 

あとは気になった点をいくつか挙げて終わろうと思います。

と言ってもさほど多くはないですが、まず何よりも思ったのは、この監禁された後です。

もしゲームを終了した場合どうなるのか。ここは気になりましたね。

私は一気に最後まで進めたので問題はありませんでしたが、少しずつプレイする場合、一生最初からやり直し続けるんでしょうか。あるいは裏でオートセーブでもされていればいいんですが……怖くて試す気にはなりませんでした。

 

続いて、システム的な部分ですが、スキップ進行でちょいちょい怪しい挙動があることや、基本的にクリック進行が推奨されている(添付のテキストファイルに書いていた)こと。ここはストレスではありましたね。

まあ本作はボイスがあるわけではないので、どっちにしろオートよりはクリックで進めていたとは思いますが。

 

あとはまあ、途中で投げられるかもしれないなあというのはちょっと感じましたかね。

私は今回、作品ページを見て(普通のキャラゲーではなさそうという事が仄めかされていたので)何かあると信じてプレイしましたが、少なくともこの動画ルート前の部分については、言ってしまえば普通のその辺にある作品でしかありません。

なので特にそういったものも見ずにフラッと買った人からすれば「なんか普通だったなあ」で投げる事もあり得ると思います。

まあただ、普通のキャラゲーという前提があるからこそその後の展開に引き込まれるわけで、そういった意味ではなかなかこの辺りは難しいとは思います。

 

そうですね。正直気になったのはこれぐらいでした。

あとは、とにかく手をかけて作っていると思います。それはもちろんシナリオ、というよりゲーム体験的なところもそうですが、その他要素についてもそうです。

キャラクターの立ち絵枚数、差分、各キャラに専用のEDもあったことや、BGMも同じものの使い回しではなく、むしろ多すぎるぐらいだったと思います。

特にキャラクターの立ち絵の部分に関して言うと、1テキスト内で複数回表情変化があったり、動きがあったりと、これ普通に商業のエロゲでもやっているところはほとんどありません。

もちろんこの尺だからこそできたことなのかもしれませんが、にしてもこれはおそらくめちゃくちゃ労力を使ったと思います。

EDに関しても、そもそもこういったインディーゲームであればなくてもおかしくないと思います。

恋二に刺されてからのopという流れなんかはめちゃくちゃワクワクさせられましたし、とにかく手を抜いているとは思えない。

ありとあらゆる部分に妥協が全く感じられないんですよね。

ゲーム体験も素晴らしいものがあり、外枠についても手を抜いていない。完成度も高い。

しかしおそらく認知されていない。

定期的に言っていますが、評価されるべき作品が評価されず、その逆が不当に評価されるというのは是正されるべきだと思います。だからこそ過剰に評価されているものにはあーだこーだ言いたくなるんですよね。

まあとは言え、世の中そういった作品は私が知らないだけで無限にあるんだと思います。私は今回本当に偶然と気まぐれの結果として本作をプレイすることになりましたが、きっとこういう作品はいくらでもあります。

ただやっぱり、そんな作品を探すのは途方もないことです。何よりそれが良いのか悪いのかすら分からない中でプレイすることはあまりにも時間的にも経済的にもリスクが高いです。私が時間とお金が無限にあればそういったことに時間を割けるかもしれませんが、現実問題そんなこともないわけで。

それならば名の知れた、評価されている作品をまずはプレイしたいと考えてしまいます。

要するに私の正義感なんてものは所詮薄っぺらなものでしかないんですよね。ただそれでも、少しでも名作が日の目を浴びて欲しいとは思いますし、そうであるべきだとも思います。

なので、今後もしまた、こういった作品に出会うことがあればその時は是非とも記事にしたいと思います。そしてもしこの記事を呼んでいるあなたが、そういった作品に出会うことがあれば、是非何らかの形で発信してほしいと思います。それがどれだけ小規模であろうと必ず意味はあります。

作品というのはたとえどれほどの名作であろうと、誰かに、世の中に認知されなければそれは存在していないものと同じです。認知されるからこそ批評ができる。まあ当然の話ではあります。

これだけ世の中に作品が溢れているわけですから、日の目を浴びるものもあれば浴びないものもある。むしろそういった作品の上に立ってはじめてそこが陽のあたる場所となる。

つまり、全てが陽のあたる場所にいることなんて不可能なわけです。それでも、いえ、だからこそ、自分が触れた作品、それが名作だと感じたのならば尚更、その作品に感じたものを形にしたいと思いますし、してほしいと思います。

まあ色々言いましたが、前述した通り私の正義感なんてものは本当に(笑)というのが相応しく、そもそも正義感という言葉を用いること自体が傲慢なものだとは思います。

その上で、それでも一つ言えることは、今回こうして本作をプレイできて良かった。素晴らしい体験をありがとうございました。以上です。

 

 

まとめ

想定の遥か上を行くクオリティで、ゲーム体験としてはこの水準のものは中々ないレベルだと思いました。間違いなく名作だと思います。

インディーゲームらしさを感じられるものでありつつ、各種要素についても妥協がなく、総じて完成度の高い作品でした。もちろん、技術的な拙さみたいなものはありましたが、それを補ってなお余りあるぐらいには素晴らしい作品だったと思います。

まさかここまでのものに出会えるとは思っていなかったので、割と驚きが強いです。

こういうインディーゲームがどんどん見つかるようになって欲しいものですね。

 

 

ちょっとしたアレコレ

  • Only youってそういう
  • 科目問題ガチ過ぎない?
  • EDにQRコードはじめて見た
  • 最後は橙香選びました

【サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-】評価

 


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感想記事はここ

前作⬇

評価/感想


概要

・作品情報

ブランド:枕

作品名:サクラノ刻 -櫻の森の下を歩む-

発売年:2023

ジャンル:恋愛アドベンチャー

URL:

https://www.makura-soft.com/sakuranotoki/

 

・あらすじ

天才と才人と凡人。弱き神と強き神。
幸福の先のさらに先の物語。
それこそが、桜の物語の第二幕。

神に選ばれた天才と、神に見放された才人、神に抗う凡人。
美に宿るカリスとは何か? なぜその果実は選ばれた者にしか与えられないのか?
「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
因果交流の光が結ばれた世界。
芸術家は美によって、その問いに答える事が出来るのだろうか?

サクラノ詩のその後の草薙直哉を中心に語られる物語。
あの坂から、直哉と藍が弓張の街を見ながら下った最後の風景。
そこに至るまでに、多くの語られなかった物語があった。

二人の天才。

夏目圭と草薙直哉の本当の物語。
何故、彼らは死後あるいは筆を折っても、未だに人々を魅了し続ける芸術家であり続けるのか?
美の具現化そのものである画家、御桜稟。
彼女は何故、彼らが止まったその先を進もうとするのか?
氷川里奈は? 川内野優美は? 鳥谷真琴は? そして夏目藍は?
あらゆる人間の思いが交差する。

(公式より引用)

 

 

データ

・プレイ時間

(4.75+6.5+9.5+1+6+13.5+1.5)+11.5+10

≒64.25(時間)

※フルオート、同じシーンはスキップした上での時間です。

 

・構成

基本的には

共通 → 個別


・推奨プレイ順

特に無し。

(ほとんど進行順は決まっている)

 

 

・受賞(あれば)

萌えゲーアワード2023:大賞

〃:ユーザー支持賞

〃:シナリオ賞

〃:グラフィック賞

〃:エロゲ屋さん賞

美少女ゲーム大賞2023:総合部門1位、

〃:シナリオ部門1位

〃:グラフィック部門3位

〃:ミュージック部門1位

〃:ムービー部門4位

 

・主観的ジャンル区分(シナリオ/キャラ/抜き)

シナリオ

 

・攻略難易度

中

 

・備考

『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-』の続編。また、『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-』のリメイクにあたる『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う- 10th Anniversary Edition』も発売中。

 

 

評価(/100)

各5点の全10項目で評価し、最終的にD〜Sでランク付けする。

尚、重要と考える項目は太字で表記し、点数も2倍とする。中でもストーリー展開は3倍(太字斜体)。

Hシーンの必要性に関してはサブ項目に過ぎないため、加算しない。

諸々の詳細はコチラに

また、キャラゲーの評価はあてにはなりません。理由についてまとめている記事がコチラ。

 

システム:4

前作同様、基本的に必要な機能は全てあり、プレイするにあたって快適ではあった。が、これも前作同様に、会話の後に少し間が発生してしまうことがマイナス。

 

サウンド:4

BGM数43。それなりに多いが、明らかに多用されるBGMがあり、体感としてそこまで多いと感じられなかった。特に、緊張感のあるシーンのBGMが極端に同じものしか使われておらず、また、場面に適したBGMと呼べない箇所もあった。総合して4。

 

CG:4.5

差分の少ないものが気になることはあったが、それでも約130枚程の基本CGがあり、また場面に必要なものはほとんどあったため、4.5とする。

 

演出:4

ED毎に異なるイラストと曲であること、立ち絵に動きを持たせようという工夫。その他にも、作中に出てくる絵画のイラストはほとんど用意されており、演出の工夫が感じられた。

また、CGの表情変化が1テキスト内で複数回行われていたのは前作には無かった工夫である。

とは言え、総合的に考えると前作と比較して劣ると言わざるを得なかった。4が妥当。

 

立ち絵枚数, 表情差分:3

決して多くはなく、一部キャラクターについては明らかに表情とセリフが一致していないものもあった。また立ち絵のないキャラも多数存在しており、総じて3。

 

キャラクターデザイン:3(×2)

基本的に本作から出てきたキャラクターは全て薄っぺらく、解像度が低い。だが前作登場キャラクターたちについては、前作には劣るもののある程度は確立されている。総合して3。

 

ストーリー展開(共通):3.5(×3)

それぞれを合計して考える。ただし一部含めない。

I:4

Ⅱ:3

IV:4

Ⅴ:3.5

(4+3+4+3.5)/4 = 3.625 ≒ 3.5 

 

ストーリー展開(個別):3(×3)

二つのルートと三章を合計して考える。

Ⅲ:3.5

心鈴:2.5

鳥谷:2.5

(3.5+2.5+2.5)/3 = 2.833333…≒ 3

 

快適性:3(×2)

一部を除き、全ての章の合計で考える。

I:3.5

Ⅱ:2.5

Ⅲ:3.5

心鈴:2

鳥谷:2.5

IV:3.5

Ⅴ:3.5

(3.5+2.5+3.5+2+2.5+3.5+3.5)/7 = 3

 

終わり方:3.5(×2)

端的に言って妥当な終わり方という感じ。

 

完成度, クオリティ:4(×3)

作品そのものの完成度は高い方だと言える。

 

Hシーンの必要性:2(×0)

一部シーンを除いて、無くても成立する。

 

特別加算項目:None

 

合計:70/100

ランク:B

 

 

総評

ありとあらゆる全ての要素において前作よりも大幅にグレードダウンしていると言わざるを得ない作品。

立ち絵、ボイス等の外枠の要素もさながら、何よりもその中身であるシナリオ、そして前作において他の作品よりも優れていたはずのキャラクターデザインも質の低いものに成り下がっている。

続編と言うにはあまりにも後付け感が強く、『normalize』されてしまった結果、これといった強みもない作品へと変容してしまっている。

前作が好きであればあるほどに、プレイは推奨しない。

 

販売ページ⬇

(DMM)