徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)

更新は超不定期です。書きたくなった時にふと書いてます。参考になれば幸いです、なんて言ってる人は信用してはいけません。参考になれば幸いです。

え……?【喫茶ステラと死神の蝶】雑感

おはようございます。今回は信じ難いことにゆずソフトの準新作である


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『喫茶ステラと死神の蝶』

をプレイしました。

なぜ信じ難いかと言いますと、それは遡ること数ヶ月前……。私はとある宣言をしました。それが「ゆずソフトの作品はもうプレイしない」ということです。……にも関わらず私が今回この作品をプレイしたのには海よりも深い理由がある……ということはありません。理由としては主に3つです。

1つめは、直近でやった作品が微妙だったから口直し的な作品を探していた ということです。これはまあ前回の記事を読んでいただけば分かるのでここでは特に語りません。ただこの口直しをするにあたってリアルの都合と言うか、モチベーション的なものと言うか、そんな理由であまり重い作品はやりたくなかったんです。なのでまあ比較的ソフトに楽しめる、要はキャラゲーを探していました。

2つめは、この作品が既に(サノバウィッチをプレイするよりも前に)購入していた『積みゲー』だった ということです。本当に我ながら何度もアホだなあと思うのですが、1、2年ほど前は特に、私はセールの度にポチポチしまくる積みゲー量産機でした。で、まあこれも、ついでに言うと直近で記事を書いた『恋する乙女と守護の楯』もその時に買っていたもので、未だに購入済み商品のページに行くと何十もの作品がこちらに笑いかけてきます。

3つめは、本当にゆずソフトの作品はその程度なのか? ということです。まあこれは要するに、「評価されている以上は何か本当はもっといいブランドなのでは」という何かモヤモヤした気持ちがあったということです。

 

とまあこんな感じでちょうどやってみたわけですね。

てなわけで前置きはこの辺りで本文に入ります。

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

とりあえず、の感想としては

「いや、まじか……?」と率直に思いました。と言うのも『サノバウィッチ』とは比較にならないほどに良くなっていたからです。私は「サノバウィッチはもう抜きげーだろこれは」という感じのことを言いました。今でもそうだと思っています。でも本作はぜんっぜん違いました。きちんと、自信を持って言えるキャラゲーでした。

この違いの理由としては、まあサノバウィッチの記事と重複する部分もあるので詳細は語りませんが、一言で言うならキャラストーリーが大幅に進化していたからです。それに尽きます。前作は全体を通して薄すぎるストーリーに、そんなうっすい個別シナリオの中でなぜか結ばれる二人。そして個性のないヒロインと、まさに惨憺たるものでした。今作はそれの真逆、とまでは言えませんが、少なくともサノバウィッチのように評価するに値しない作品なんかでは無いとはっきり言えます。

まあ要するに思っていたよりも良かったです。驚きました。やって良かったと思います。もちろん作品の質という意味ではありません。『ゆずソフトの作品について考え直すきっかけになったから』というのと、それとやや被りますが『自分の中での疑念(上述した3つめの理由)が解消されたから』です。

まあ内容に関してはさほど語るつもりもありませんので早速評価記事を、と行く前に何となく今日は元気があるので超絶死ぬほど珍しく、書ける範囲で個別ルートについてのあれこれを雑に書いてみようと思います。確実に今年最後です。場合によっては人生最後かもしれません。

まず、私がプレイした順番としては、

①栞那 ⇒ ②涼音 ⇒ ③愛衣 ⇒ ④希⇒ ⑤ナツメ

という順番でした。

本来であれば、メインっぽいのは最後にやるのですが、今回は、サノバウィッチが酷かったということもありさすがにモチベーションの維持が難しそうだなと思い、あえてメインからやってみることにしました。まあ結果後悔することになった部分は無きにしも……ですが。

①に関しては、特に言うことはありません。正直話自体のまとまりもよく、ちゃんと諸々の問題を解決しつつ、合理性もあり、展開もあり、そして結ばれることにも納得のいく理由があり、と、キャラゲーに求められるクオリティとしてかなり素晴らしいものだったんじゃないかなと率直に思います。と言ってもいくつかご都合、と言うか気になる部分もありましたがまあ目をつむれる範囲でした。

②に関してもそれで言うと良かったと思います。いえ良かったというのには多少語弊がありますね。善し悪しを語る段階ではありません。と言うのもそもそもおまけみたいな立ち位置ですし、尺があまりにも短いショートストーリーみたいな感じだったのでまあ単純に何かあって結ばれて、はい幸せですね〜って感じだったので。ただそこに関して不快だったりとかということも無く、波風立たない感じでまあオマケに求められるものは十分に満たしてはいた、という感じでした。問題はここからですね。

③ですが、個人的にこれが一番の問題シナリオだったと思います。

前半部分、つまり結ばれるまではまあ良いです。ちょっと奥手なヒロインと奥手な主人公が結ばれるまでをまあ良く言えばめちゃくちゃ丁寧に書いていました。

後半がまずかったです。

具体的に挙げると女子会の部分。あれはキャラ崩壊です。全くもってデリカシーの欠片もないヒロインたち。そして(成績が悪いキャラクターにも関わらず)テスト前日に猥談で時間を潰す、とまああまりにも歪でした。やりたいことがあるのは分かりますが、それにキャラクターを無理やり従わせるのは最悪です。これはまあ面白くないストーリーだったり没個性的なキャラクターが出てくる作品にはありがちですが。さすがに目にあまりました。それにヒロインが奥手にも程がありすぎます。どこぞのお嬢様で、キスも何も知らない清純で無垢なヒロインだとでも言うなら分かりますが、そうでもありません。女子校でそういう話も聞かされている、性癖とかそういう話も分かる、という後輩キャラでそれは無理がありませんか?

私としては、これはもうこのシナリオの人が女子会(クソ寒)にハマってしまってそれをやりたくて仕方がなかったのか、あるいは規定のシナリオボリュームに達しなかったから無理やり展開を遅くしたのかのどちらかだと思っていますが。

終盤の展開も何となくとっ散らかっていたように感じます。

ですが、最大の問題はそこにはありません。

最大の問題はこのルートだけが唯一、「嫌がらせ」だとか「イジメ」みたいな汚い部分をストーリーの核としているところにあります。これは本当にこのブランドに求められているストーリーなのでしょうか。つまり需要はあるのでしょうか。あくまで私の感覚ですが、求められていないと思います。サノバウィッチと、本作の他ルートをやって感じたことですが、このブランドに求められているのは『何か多少無理ある部分はあってもご都合でヒロインと結ばれて最後には幸せだね!』みたいなシナリオだと思うんです。これは貶している訳でも無く、実際割と難しいとも思います。展開を作れる要素を自ら縛っている訳ですから。でも恐らくそれが老舗となったこのブランドに求められているものだと私は思っています。なので多少荒っぽい部分は許容しています。

話を戻しますと、この暗黙の了解みたいなものがこのシナリオだけは無いんです。隣のルートはキャッキャウフフしてるのにこのルートだけが陰鬱、とまではいきませんがそういう方向性でストーリーを進めている。それがどうにも異端であり、需要のないことのように思いました。端からそういう世界観の元でのストーリーならいいですけど、でもねえ……。

というわけでこのルートは個人的に最悪でした。私は一応Hシーンも手動オートみたいな感じで読んでいるんですが、Hシーンもクソ寒いボケかますし雰囲気も最悪で、そういう意味でも異端だと思いました。真偽はともかく、シナリオを書いている人の照れ隠しかなんかなのかなーと感じました。もう少し真剣にシナリオを書くことに取り組んで欲しいと思いました。

とりあえず全体的にクオリティとしては最低だったということです。

④についてもまあ、何か気になる部分はありました。

③よりも終盤の展開がドタドタしている感じとか、展開が多少無理がある部分があるとか、ギャグが寒いとか。

まぁですがこれに関してもワーストな部分はそこではありません。最悪なのは、途中からこのルートのヒロイン、すなわち希の声が変わっていたことです。具体的にはChapter8からですね。わたしもはじめは「ん? 聞き間違えか?」ぐらいの感じだったのですがやっぱりどうしても違和感が拭えず、雑に比べた感じ、やはり明らかに違いました。chapter8という終盤も終盤の重要な『結』の部分。にも関わらず声が明らかに違う、はさすがにまずいでしょう。普段そういうのを気にしない私ですら思ったので私よりもそういった部分重視する方には不自然極まりない状態だったと思います。キャラゲーの、盛り上がり部分で声が違うなんてさすがにやばいです。これはまあ声優の方の問題という感じもしますが、何とかできなかったのでしょうか。私もこんな経験初めてだったので割と驚きましたが、声優の人は凄いということを再認識させられました。

⑤についてもまあ特筆すべき点はありません。良くも悪くも無難という感じで、個人的に一番退屈でした。(適当)

 

とまあ、こうして振り返ると酷い部分もありましたが、少なくとも「サノバウィッチと比較すると顕著な程に語ることがあるな」という感じです。

キャラゲーとして最高だ! なんてことは言えませんが私もゆずソフトの作品を今後やってみてもいいのかもしれないと思うきっかけにはなりました。

最後に言っておくと、外側(sd,cg,立ち絵、システム等)の部分はさすがだなと思いました。雑ですみません、さすがに疲れました。

おやすみなさい。