徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)

更新は超不定期です。書きたくなった時にふと書いてます。参考になれば幸いです、なんて言ってる人は信用してはいけません。参考になれば幸いです。

【euphoria】評価


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※本記事にはネタバレは含みません。

 

概要

・作品情報

ブランド:CLOCKUP

作品名:euphoria

発売年:2011年

ジャンル:インモラルハードコア

 

・あらすじ

目を覚ますと、見覚えのない白い部屋にいた――

白い部屋に閉じ込められたのは、主人公・高遠恵輔と6人のヒロインたち。
 幼馴染の「叶」
 クラス委員長の「都子」
 後輩の「梨香」
 英語教師の「葉月」
 同学年の「凛音」
 そしてクラスメイトの「合歓」
異常な状況に混乱する彼らに、突如として『謎の声』が告げる。

「これからゲームを開始します」

しかし異常な性交を強いるこのゲームを拒絶した都子は拷問装置に拘束され、電流に焼かれて死ぬ。
だが、恵輔はそんな都子の姿にいい知れない昂奮を覚えた。

女性に対する破壊衝動と凌辱願望―――それは、恵輔が誰にも知られてはならない忌むべき秘密。

だがそれは、合歓に見透かされてしまう。合歓は秘密を盾にして、主人公に服従を強い、唇を寄せる。
はたして彼らは無事に白い部屋から脱出し、日常に戻ることができるのか?

――結末を決めるのは、主人公であるあなた自身です。(公式より引用)

 

 

データ

・プレイ時間

8.5+6+5+6+6=31.5(時間)

※同じシーンはスキップした上での時間です。

 

・構成

やや複雑なので説明します。

本作は5人のキャラクターにそれぞれルートがありますが、基本的に6割〜7割程度は同じ内容です。ですが、ルートによっては同じ内容の部分が微妙に違うということもあります。 

 

・推奨プレイ順

葉月 → 梨香 → 凛音 → 合歓 → 叶

※そこまで強制するほどでもありませんが、少なくとも合歓に関してはこの順番でプレイすることを推奨します。

 

・備考等(あれば)

グロと言うよりも、精神的にきつくなる場面が多数あるため、ある程度耐性が必要。

演出軽減機能もあるため、場合によってはそちらの使用も可能。

 

評価(/100)

各5点の全11項目で評価し、最終的にD〜Sで評価

詳細はこのURLに。

評価基準と考え方 - 徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)

 

 

システム:4

カウント機能や、選択肢まで移動できる機能があった。そして何よりもキャラクターが喋っている時には下のセリフのウインドウを表示しない機能という、他では見た事のないシステムがあった。が、結局使わなかった。

その他、特に不満点もなかったため、これらの機能を備えていることを加味して4とした。

 

BGM:2

少ない。場面に適したBGMでないことがあった。

 

CG:4

必要な場面には基本的にあった。

 

演出:2

主要キャラ以外声がない、BGMが足りていない等があって、あまり盛り上がらないことが多かった。

 

立ち絵枚数, 表情差分:4

表情差分も含めて、普通。だが、そもそも本作において立ち絵枚数という点で、そこまでバリエーションがないのは必然とも言えるため、4とした。

 

キャラクターデザイン:4(×2)

悪くは無い、が、良いとも言えないような感じ。そこまでそのキャラクターを語れる程、確立されていないように感じた。

 

ストーリー展開(共通):3(×3)

4と悩んだが、始まり方に対して、物語としてはそこまで展開もなく割と淡々と進んで行った印象だったため3とした。

 

ストーリー展開(個別):4(×3)

どの個別ルートも、適度に謎をばらまいて、それでいて核心には触れないという構成は非常にうまくできていた。しかし、単純にストーリーとして5にできるほど面白くはなかった。全体を平均して4が妥当だと判断した。

 

快適性:3(×2)

2と悩んだが、本作は明らかに愚かな人間を登場させていることや、愚かな行動を取る場面が存在していた。が、全体としてそれらはそこまでの割合を占めていないため、3とした。

 

終わり方:3(×2)

悪くは無いがよくもない。メッセージ性のようなものをイマイチ感じられなかった。

 

完成度, クオリティ:4(×3)

単純な作品としての完成度は5と言える。だがあくまで矛盾していない、というだけであまり感情が動くことはなかった。おそらく核心部分を見せるにあたっての展開があまり良くなかったと考えられる。

 

Hシーンの必要性:5(×0)

本作においては必要な要素となっている。

 

合計:69/100

ランク:B

 

総評

独創性という点では圧倒的な作品

だが、惹き付けられる魅力のようなものは薄く、最終的にあまり高い評価とはならなかった。

書いていることは面白いのになぜかそこまで面白いと感じられない」というのが率直な感想である。

 構成や展開を見直して作り直せば、確実に名作となる。しかし現状では名作とは言えない。 

しかし、心をえぐられるような数々のシーンはこの作品にしかないものと言える。

アブノーマルを極めた作品に興味がある、という方には確実にオススメできる作品。

カテゴライズ不可能なオリジナリティ【euphoria】感想

はいどうも。毎度恒例久しぶりの記事更新です。(以下、いつもの前置き)

季節は梅雨に入ったとか入ってないとかということで、なかなか憂鬱な気分になっておられる方もいるのではないでしょうか。もちろん私は憂鬱です。そもそもならない人なんて農家の方とかですか?なんてことを言ったら怒られそうなものですが、ともかく雨が降るメリットなんて何一つも無いと思うんですよ。だから憂鬱にならない方がおかしいんです(暴論)。

と、いうわけで今回はいわゆる「鬱ゲー」なんて言われている作品であるeuphoriaをやって来ました。

早速感想に入ろうと思います。


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本編の大事な話も含めたネタバレがあるので未プレイの方は絶対に見ないでください。

 

 

 

 

 

 

 

さて、まずは何から言うべきか。

プレイ前に抱いていたこの作品に対するイメージから話しましょうか。

そもそもこの作品自体、2、3年前に買ってはいたんです。いわゆる積みゲーですね。まあ積んでるやつはまだまだあるんですが、その話は置いときます。

正直きっかけというきっかけはありませんでした。ただ、ふと「ハードな作品を今ならやれる!」という気がしたからでした。というのもここを読んでいる方はご存知の通り、この作品、界隈でも屈指のハードな作品の一つです。私も中身はほとんど知らなかった(と言うよりは知らないようにしている)んですが、とにかくハードだということだけは知っていて、やっぱりなかなか精神的にきついじゃないですか、そういうのって。

やっぱり手のだしやすさで言うと普通の、いわゆる美少女ゲームって感じのやつの方がそりゃあまあやりやすいです。とまあ、そんなこんなでなかなか手を出せずにいたんです。だからこそ今やれると思った時にやらないとまたやれる状況にならないのでは?と考えました。それでやってみた、という感じですね。

まあ無駄に経緯が長くなってしまいましたが、どういう作品と思っていたかというのは上述した通り、とにかくハードということだけでした。ですが、プレイ後の今、抱いている感想はかなり変わっています。それは本質ではないな、というのが率直な感想としてあります。もっと内側のストーリー部分に重きを置いたものであるとそう思います。

その理由についてはいちいち説明することでもないと思いますが、まあ一言で言うならオリジナリティですよね。

プレイ開始から惹き付けられるような異質な世界観、そして二転三転する展開、とまあ、めちゃくちゃ良い表現としてはそんな言葉が似合う作品です。

しかし、その反面、残念という点もいくつか見受けられます。

まず、大きな所としては一点。

エンディング後の展開が必要だったのか?ということ。これはまあ意見は割れるところでしょう。物語としてやはり助け出すところまでを含めて綺麗な形にしておきたいというのがこのエンディング後の続きのストーリーからは感じられました。

ですが私は、エンディング後にあの展開は要らなかったと思うんです。つまり解釈を委ねる程度にしておく、ということですね。

それに、あの後の展開はどうにも悪人を作らないための時間のようにも見えたし、言うなれば蛇足感が否めなかった印象です。私としてのエンディングの理想形は扉を開けたところで終わってしまうぐらいでよかったと思います。その方が綺麗そうにもみえましたし。

この続きの場面によって読了感のようなものが薄れてしまった感覚はありました。

他には、小さいところではありますが何点か。

まずはボイスがないキャラクターが多すぎることです。本作は圧倒的にモブキャラの数が多く、十数人はいたと思います。ですが、その全てに声がなく、また、イラストも同じようなやつばかりです。これが臨場感という部分に大きく悪影響を与えてしまっているように感じました。まあ確かに全部のキャラに声が付くのは難しいにしても、名前のあるキャラクターについてもボイスがありません。なので、オートにしていると30分ぐらいただBGMが流れるだけというのもざらにあります。これはどうなんだ、と思うわけです。モブキャラが喋る場面がほんとに一言二言しかないならこれでもいいですよ。でもかなり出てきますしかなり喋りますよね。それなのに声がないのはやはり不満点として残ります。

あとは、基本的に8割程度はどのルートもストーリーの大筋が同じことですかね。まあこれに関しては原価はともかく、私が買った値段を考えればそこまで言うことでは無いのかもしれませんが。

最後に、ストーリーに感してですが、全般的にくどいことが多いです。なんと言うか、秘密がある、ということを提示してなおかつその秘密を知っている人物が目の前にいるのにそこから話が確信に触れるまでをもったいぶりすぎているような印象です。あくまで持論ですが、その状況にしている以上、読む側としては答えの開示を待っているわけです。なのにそれを言わないというのは、一言で言うと、ストレスが溜まる。これは例えば、よくある「正解はCMの後で」ってやつですよ。それのCMがめちゃくちゃ長いパターンです。どうでしょうか、こう書くとイメージが伝わりやすいのではないでしょうか。なので、そもそも秘密を知っていることを隠しておく、とか、主人公視点で疑問に思わせないとか、してみるともう少しストレス的な意味では変わっていたかもしれません。

とまあ、雑に書きなぐってみましたが、本作はすごいと思います(小並感)。何がすごいかの一番はこのような作品が作ることが出来たことです。コンセプトもすごいですし、これに携わった人間が多数いることもすごいことだと思います。もちろん、皮肉ではないです。中でも私がすごいと思ったのは声優さんです。私がこれまでプレイしてきたゲーム史上、最大の苦労をしていることは間違いありません。それにシチュエーションと声が合っているかは臨場感という点において非常に重要なことなので、ここが雑になってしまうとやはり今一つになってしまいます。本作の声優さんは皆、その辺に対する努力が伺えました。なんて生意気なことですが、とにかくお疲れ様です、という感じです。

 

感想としてはこんなところですかね。私自身、最近はなかなか時間が取れなくて、合間を縫ってプレイしているんですが、プレイ期間が私としては初の1週間くらいになってしまったので、それもあってかあまり終えた後の「あー終わったな……」という感覚が薄いです。それにしてもハードだったな……。

 

 

 

 

 

黄金時代の有名ホラー【Another】 雑感

こんばんは。

最近は暑いですね。まだ5月だって知ってますか?なんてあらゆる人が言っていることでしょう。

かく言う私は、何とか(エアコンをつけて)過ごしています。

さて、そんな暑い季節こそホラーの季節。


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というわけで今回は「Another」についての感想を書いていこうと思います。

いわゆる有名なのに見ていなかったシリーズのやつですね(そんなシリーズはない)。

くだらない前置きも程々に、早速感想に入ろうと思います。

 

いつもながら、感想記事なのでネタバレは多分に含みますのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

さて、感想と言っても何から書くやら何を書くやら決まっていないので雑〜に書いていこうと思います。

 

まず本作ですが、ジャンルとしてはやはり、

・ホラー

というのがまずは挙がるでしょう。

しかし、それだけでもない。

・サスペンス

・伏線

なんてのもあるでしょう。逆に言うと、本作に関してはこれらだけが全ての要素と言い切ってしまっても過言では無いと思います

これを踏まえて、まず良かった点としては、

テンポ感の良さがあると思います。と言うのも、本作は不思議と一話一話が終わるのが早く感じるんですよね。もちろん、25分ないというわけでもないのにです。

これは、恐らく話全体のテンポ感がいいからだと私は思いました。そしてこれは事実で、本作は12話の中で大きく前半と後半に分けることが出来ます。そして、さらに細かく分けるのであれば3部分に分けられると思います。

ここで少し物語のあらすじを思い出してみようと思います。

あらすじは、

田舎の中学校に転校してきた主人公がその学校に少しづつ違和感を覚えていく

というような、まあこの手の作品においてはもはやテンプレとも言えるものです。じゃあその違和感は何なのかというのを紐解いていくことが大筋となるわけですが、そこがまあ単純では無い。うまく紆余曲折あって最終的にその答えにたどり着くんですよね。その単調では無い構成が飽きさせない、退屈にさせないといった効果を生み出しているんです。

それと、もう一つここに寄与している要因があるとすればそれは緊張感だと思いました。

上述したように、この作品を表すジャンルはホラーなわけです。要するに人が死ぬんです。ここで言う緊張感とはつまり、それを無意識のうちに身構えながら見てしまうということになります。

これも、一話一話を早く感じる理由だと思います。

もう一つの良かった点としては、ちゃんと死ぬシーンでインパクトを与えにきているという事です。

昨今のホラー作品なんて言うのは、(そもそもそういったジャンルの作品はほとんど無いが、)惨い死に方をした時に、そこまでグロくないことが非常に多い。

例えば、黒くして見えなくしていたり、間接的に死んだことを伝えたりというのはよくある手法です。

本作は、さすがに完璧に映す訳では無いですが、可能な限りそういった場面にグロさを与えに来ているんです。やはり、こういった作品である以上、それも一つ醍醐味ではあるわけなので、そこに熱意を割いているかどうかというのは非常に重要だと私は思います。ですので、これも良かった点にしました。

 

次に悪かった点に移りますが、悪かった点はかなり明確にあると思っています。

まず一点目、というか全てこれに関係していますが、終盤の展開、ならびに終わり方ですね。

まず、終盤どういった展開だったかと言うと、呪い(惨劇)を解除する方法が見つかります。それはつまり、死者を殺すこと。そこで白羽の矢が立ってしまったのが奇しくも死者を視る能力を持った鳴であり、物語は

主人公含めた鳴陣営数人vs他の生徒全員

という構図になります。

つまり、本物の死者を見つけるのが先か、死者として鳴が殺され惨劇を止める手段を失うのが先かというシンプルな二択を迫られるわけです。そして、死者とは言え、人間を殺すことが出来るのかという葛藤もついてきて、どうなるのか……

というのが終盤の展開でした。

まず、この解決方法ですよね。せっかくミステリアスな雰囲気で進んでいたにも関わらず、最後の最後は力技というかゴリ押しというか、なんだかそんな感じがして私はどうにもいい終わり方だとは思えませんでした。

せっかくこの呪いが起きるきっかけが分かっている訳ですから、そこに関連した理由付けをして解決、ということには出来なかったのかなというのが率直な感想です。

まあ、とは言え、生徒たちも気が気でない状態の中、死者を殺せばいいなんて言われたら普通ならしないこと(殺人)でもやってしまうという点に関しては納得できるものがありました。

 

すみません、何だか書きたいことも半端で、文章もぐちゃぐちゃでどうにもダメですね。

総評としては、

見て損はしない作品

という感じですかね。ある程度緻密な伏線とその回収だったり、そもそものホラーとしての演出だったりというのはかなり素晴らしいものだったと思います。

ただ、今ひとつ名作とは言えない。そんな惜しい作品だと思います。

ホラー系の作品を見てみたい、一風変わった作品もたまには見たい、という方にはオススメできるかもしれません。12話という軽めな作品ということもあるので。

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年トップクラスの作品【Vivy -Fluorite Eye's Song-】雑感を唐突に書く

こんばんは。前置き長いので感想だけ見たい方は飛ばしましょう。是非とも。

前回の記事から何ヶ月ぶりとかでしょうか。あまり覚えていませんが久しぶりに見てみると、どうやら定期的にこのサイトに訪れてくださっている方がそれなりにいたようで。いったい何のつもりか分かりませんが、ありがとうございます。……と、そんなことより、いや〜春ですね!始まりの季節ですね!

というわけで春にちなんで最近は専らエロゲに関することしか書いていませんでしたが、今回は久しぶりにアニメに関する記事を書いていこうと思います。(適当)

 


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その作品というのが、タイトルにもあります通り、「Vivy」という2021年のアニメです。

この作品、当時はかなりの人気があったらしい、というか確かにあったんです。当時私は見なくても良いかな〜なんて思って見ていなかったんですが、先日ちょうどVivyを見るのにちょうどいい時間(そんな時間は無い)があったので見てみました。

それがまあ思っていた5倍は良かったので、こうして感想を書いてみるに至ったという感じです。

まあ5倍、と言っても実際にどの程度の基準値だったのかというのが大事なわけですが、簡単に言うとかなり低く見積っていました。

どうせそこまで面白くはないだろうけど見てみるかーぐらいの感じと言うか、イラつかずに見られればいいかなー、ぐらいの感じと言うか。まあそんな感じでした。

少し話は逸れますが、(どこかで語ったこともあるかもしれませんが)私はエロゲはながらでやることをほとんどしないように心がけています。

これは別段高尚な理由がある訳ではなくて、単に内容が分からなくなると言うのと、せっかくの没入感を外的要因で邪魔されることになるのが嫌だから、です。と言ってもまあ何の作品とは言いませんが、ごく一部、その価値すら感じないと思った作品に関してはながらでプレイします。

そしてそれはアニメに関してもある程度は同じで、私がわざわざ過去作を見る時はほぼほぼ9割ぐらいはながらでは見ません。せっかくの良作に出会えるかもしれないのに、ながらで見るのは非常に勿体ないことだからです。

ですがそれもケースバイケースで、今回の場合、ながらで丁度いい感じの作品を探していました。この作品を選んだのはながらが適していそうだったからです。適度に退屈で飽きないぐらいの感じ、と言ってもこれが難しい。内容が詰まりすぎているとながらでは見られない。かと言って退屈すぎるとながらでさえ見ることが苦痛になる。この作品であればその絶妙なバランスを取れているのではないか、と思って視聴することにしました。

 

さて、長くなりましたが感想に移ります。久しぶりに記事を書くと自分語りが増えて良くないですね。

あ、ネタバレ含みますので注意してください。

 

 

 

 

本編(感想)

まずは演出についてですが、非常に細かいなと感じました。

具体的にどこを指しているのかと言うとオープニングに関してです。

ヴィヴィは始め、売れないアイドル的な所からスタートします。その時から歌っていた歌がこのOPの曲だったと思うのですが、このOPは、例えばヴィヴィが自分の人格を失って(或いは閉じこめて)ディーヴァという本来の歌唱用アンドロイドとしての人格となっていた時にはLIVEでの曲の一つかのように本編からOPへと繋がっていきます。

また、別の、マツモトというアンドロイドの記憶が無い時にはOPにマツモトはいなくなっていたりと、細かいですが凝っていると感じました。もしかすると私がちゃんと見ていないだけで他にもこういった変化はあったのかもしれません。

もちろん毎話違っているというわけではありませんが、最近では見かけることの本当に少ないこのOP変化という演出。こういう細かい所を丁寧にやってくれていることには熱意を感じました。素晴らしいという言葉しかありません。個人的にこのOPやEDに変化をつけてくる演出はものすごく好きです。

 

次に展開に関してです。

この「Vivy」という作品は100年後の未来を変えるためにいわゆる過去改変を行っていくという、構図としては非常にシンプルなものなのですが、それが飽きないようにできている。

というのも、例えば未来を変えるために7箇所変えなくてはいけない場面があるとして、それをただ順々に変えていく、という構図は確かに綺麗ではありますし分かりやすくはありますが展開として単調なものになってしまいます。名探偵コナンなんかと同じようなことです(まああれはあれであそこまで続けられていることはシンプルにすごいとおもいますが)。

ですが本作にはそれが無い。と言うより初めはそうなる予定だったのですが過去を変えていく過程で色々と予期せぬ出来事が起きて、ただ淡々と改変していくことができなくなる、と言うべきでしょうか。

その流れが、かなり自然に出来ていることが素晴らしいです。

しかも、その改変の結果、結局過去を変えられず、1話冒頭に繋がるという展開まで含めて非常に良かったと思います。まあ厳密には少し違いますが。

 

また、これはテーマ的な部分に関する話になるのかもしれませんが、本作を見ていて私個人が感じたのは「AIと人間という対比」と「心」という二点です。少なくとも単に「AI」という言葉で片付けられないテーマ性がこの作品にはあったと思います。

この作品のテーマは一つではない。それもまた話を飽きさせにくくしている要因なのかも知れません。

 

あとは話全体の整合性についてです。

最終的に本作は「AIの暴走を止める」のではなく、「AIの機能を止める」ことで解決しました。ここが細かいですが非常に良かったです。というのも当然の話ですが、この「人類を滅ぼして自分たちが人類になるべきだ」というAIの判断は暴走ではなく演算の結果だからです。つまり今回その考えを改めさせることが辛うじて出来たところで先延ばしにしたに過ぎないわけです。なぜならいずれまた演算の結果そうなるからです。

ですが、機能停止としたことでその問題は無くなります。もちろんそれによってヴィヴィもマツモトも機能停止するわけですが。

こういった細かいところが整合性が取れているので、見ていて理解しやすい。それもまた良いところだったと思います。

 

 

気になった点としては、

・過去に戻る原理が謎
・思ったよりバトル要素多い
・終盤にぽっと出の新キャラ2体がめちゃくちゃ活躍してしまう
・一つ解決したら平気で数十年飛ぶため、地続き感が薄く、僅かに理解し難いストレスがある

という所でしょうか。こちらは一つずつ触れていく程でも無いので割愛しますが。

 

後は終わり方ですよね。

ラストシーンの意味は何なのか、という話です。

現実世界なのか、精神世界的なものなのか、或いはアーカイブに似た仮想世界なのか。

その話の前に、私個人としては、そもそもこの場面が必要ではなかったと考えています。と言うのも終幕が明らかに感動を誘うものだったのでその余韻のままEDに続くというのが感動させるという目的を果たす上では効果的だったと思うからです。

とまぁそこは置いといて話を戻すと、私としては現実世界というのが好ましいな、なんて思っています。なぜなら人間が再び同じことを繰り返して結果、全く同じ用途でViViが生まれたという解釈ができるからです。まあいわゆる歴史は繰り返す的なアレです。

 

 

まとめ

今回は触れませんでしたが、もちろん作画も良かったですし、声優さんの演技もなかなか素晴らしかったと思います。特にヴィヴィとマツモトあたり。

なんかこんな適当に書くと、言わないといけないから言っといた感出ますが、本当にそういうわけではないです。指が疲れたんです。

とまあともかく、総評としては、ここまで面白いとは思っていませんでした。なんなら途中からながらで見ることをやめました。と言っても確実に神作ではありません。名作には辛うじて入るかもしれない、ぐらいの評価が妥当だと思っています。

ですが、2021年という枠の中では現状最も面白かったと思っています。

暇がある方は是非見てみても良いと思います。13話という見やすさもありますし。

以上、久しぶりの雑感記事でした。

肩が痛いので寝ます。おやすみなさい。

【ゴア・スクリーミング・ショウ】評価


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概要

・作品情報

ブランド名:Black Cyc

作品名:ゴア・スクリーミング・ショウ

発売年:2006年

 

・あらすじ

(公式より引用)

両親の渡米を機に、俺……『仁野恭司』は生まれ故郷の田舎町『呉仁(くれひと)町』に帰ってきた。
そこで俺は、それぞれ縁のあった3人の少女たちと再会する。
時折、小さな波風が立つことはあっても、平穏で退屈な日々が続いていくはずだった日常。

だが、過去の記憶に呼ばれ出会ったひとりの美少女と『ゴアスクリーミングショウ』と名乗る怪人物。
彼等との出会いが、俺たちの平凡な日常に小さな亀裂をつくり、狂気と絶望に彩られた奇怪なる『非日常』へと変貌させていく―――。

 

 

データ

プレイ時間

12+7+7+5+4

=約35時間

※既読テキストスキップあり

 

構成

各ヒロインに関して、4割は共通、6割が個別という構成。

やや複雑なので説明します。

どのヒロインの場合も共通シーンを経て途中から個別シナリオへと入りますが、大筋としては4割程度共通シーンです。選択肢によってそこでの会話が少し違う程度で、残り6割が完全個別シナリオという感じです。

そして、残り2ルートに関してはメインヒロイン3ルートと比較して圧縮されたような形です。比率としては共通2割、個別8割ぐらいの体感です。

 

推奨プレイ順

希衣佳 → あかね → 葵

※ 希衣佳ルートは三人の中でも最大にグロいです。表現規制機能はありますが、なしの場合要注意です。

そこまで厳密な順番ではありませんが、本作は誰からでもいいと言う感じでもありません。いずれにせよ、あかねと葵はセットの方が良いと思います。

 

備考等

・主にバッドエンドに関して、部分的にかなりグロいので、何か食べながらのプレイは吐く危険性あり(私は吐きそうになった瞬間があった)

 

 

評価(/85)

各5点の全10項目で評価し、最終的にD〜Sで評価

詳細はこのURLに。

評価基準と考え方 - 徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)

 

 

システム:3

凡。便利とも言えない。

 

BGM:3

もちろんいい場面もあったが、もう少しあった方が良かったような気もする。

 

CG:2

もう少し欲しかった。

 

演出:4

ホラー演出に関しては文句なし。だが到底5にはならない。

 

立ち絵枚数:2

少ない。

 

キャラクターデザイン:4(8)

どのキャラも個性があり、素晴らしい。キャラが生きているという感じがすごくして読んでいて楽しめた。

5にならなかったのは一部気になったキャラがいたため。限りなく5に近い4。

 

ストーリー展開(共通):5(15)

素晴らしい。

 

ストーリー展開(個別):4(12)

各ルート毎に各々のストーリーという感じで、大筋は同じなのにそれを上手く個別ルートにできている。またその全てが面白い。

だが最重要ルートがややしりすぼみ感があったため4とした。5に近い4。

 

快適性:5(10)

一部不快な瞬間はあるがそれも後の展開を考えると許せる。総じて文句なし。

 

終わり方:3(6)

ややしりすぼみだった。丸く収まったと言うよりは、収めた、という感じがしたため3とした。

 

Hシーンの必要性(無理やり過ぎていないか):

4

本作においては必要だったと言える。

 

合計:65/85

ランク:B(あと1点でA)

 

総評

奇作にして名作。これぞR18という作品だったと思う。その他、シナリオの細かさ、面白さ等が光っており、グロやホラーと言うよりはシナリオが面白い作品という印象の方が最終的には強かった。

古さとかなりのグロさを許容できるのであれば、プレイを推奨する。

 

雑談

プレイする前は俗に言う陵辱ゲーと言う印象が強かったが、やってみるとそれよりも感動、謎、ホラーという単語が浮かんだ。何より前にやった作品があまりにも酷すぎたため、本作の読みやすいテキストに感動した。

確実に名作の一つ。【ゴア・スクリーミング・ショウ】感想


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おはようございます。

昨日、「創作彼女の恋愛公式」という私的に信じられないほどの駄作をプレイしたわけですが、続いて今回はそこから15年も前の作品の感想です。

今回に関しては経緯は特にはありません。何となくです。前々からやろうと思っていたけど買うだけ買って未プレイ状態だったのでいずれはやろうと思っていましたが、いやはや思いの外…って感じでした。 

と、前置きはこの辺りにして、早速感想に移ります。

ちなみにいつもながらネタバレは含みますのでご注意ください。

 

 

 

 

まず言わせてください。かなり良かったです。感覚的にはもしかするとTOP3に入るのではないか、と言うぐらいには良かったです。

今回は良かった点と悪かった点、そしてその他という珍しくまとまった書き方でもしてみようかなと思います。

 

1.良かった点

まず、一点目。文章が非常に素晴らしい。この作品において重要な要素とも言える没入感が他の作品と比較しても圧倒的に高かったです。

というのもタイトルから薄々察していましたが、グロ系、ホラー系なんて言うジャンルに区分されそうなのが本作です。ホラー系なんてのは映画なんかだと特にそうですが、最初のおどかせシーンをいかに怖そうに見せるかが肝ですよね。この手のノベル要素がほとんどを占める作品においてその演出というのは、文章です。つまりどれだけ文章でのめり込ませることができるのか、あるいはどれだけ分かりやすく恐怖心を煽ることが出来るのかが肝要なわけです。そこが他のこの手の作品と比較してもまあ優れている。素晴らしいとしか言いようがありません。

退屈感もなく、いわゆる読みやすい文章である上にこの表現力。褒め言葉しか浮かびません。

2点目。単純にストーリーがそもそも面白い。ホラー系と言うとどうしてもただ怖がらせるだけなのかなーと思いがちなものですが、この作品の舞台は高校です。

あらすじとしては、3年間、地元から離れた学校に通っていた主人公が高校では地元に帰ってくる、という「いかにも」な設定です。そしてそこで起こる奇怪な出来事…とでも言いましょうか。話が逸れましたが、舞台が高校ということで多少は学園モノとしての要素も顔をのぞかせるわけですが、そこの部分もストレスなく、楽しめるように出来ている。そこが素晴らしかったです。まあ良かったな、というそれ以上語ることも特にありません。

 

2.悪かった点

続いて悪かった点ですが、正直特に熱を持って語るほどのことはありません。というのもそこまで悪い点は無かったというのが本音だからです。

とはいえ、あったにはあったのでそこについて書いていきます。

1点目。しりすぼみ感。

これはまあ、ホラー系には非常によくありますが、例えばこの世のものじゃない敵が現れて色々な目にあって……「じゃあなんでこいつはこんな異形の存在になったの?」「どうしてそんなことができる?」っていういわゆる「結」の部分がしりすぼみになるというあれです。まあメインがホラーなわけですからそこを楽しめていれば最後が、「なんかもうちょいなあ」って感じになっても別にいいとは思います。私としてはそれでもそのメインの部分が面白く出来ていれば名作にはなると思います。ですがケチはつく、という感じです。それに何より私は特にですが、「終わり良ければ」思想が強ければ強いほど、しりすぼみというのはあまり良くない印象を受けてしまいます。なので全体として、というのを考えた時にどうしてもネガティブな印象になりがちです。まあ色々言いましたが、そこは少し残念だったかな、と。

2点目。ゴアの存在。

これは少しだけ1点目にも被りますが、ゴアの存在、喋り方、見た目がどうしてああいう感じなのかが説明されていたように思えませんでした。本作のもはや主人公と言っても過言では無い存在の説明があやふやというのはどうにも納得いきがたいものです。見た目に関してはなんか怖そうで安っぽくもある見た目なので、そのチープさもまた演出の一環として見るためには説明があった方が良かったような気がしました。あと単純に嫌いです。

 

3.その他

まあざっくりいい点と悪い点について述べましたが私としては高く評価していることが伝わっていればいいな、と思います。

 

今回はこれで終わりです。

どうにも書く気力が湧かないので、もしかするとまた熱のある時に書き直すかもしれません。早速評価記事も書いておこうと思います。

 

 

ブラックリスト一覧

さて、この記事は文字通り、私がこいつはヤバいってなった人物をブラックリストとして記録するページになっています。

こんなページを作ることになるとは夢にも思いませんでしたが、それぐらいにやばいものと出会ってしまったので……。

 

ブラックリスト

定義

・あまりにも酷すぎた

・二度とこの人の関わった作品をやりたくないと思った

 

一覧

工藤啓介(シナリオライター)

きっかけ:「創作彼女の恋愛公式」

 

グレーリスト

定義

・読んでいてかなり不快だった

ブラックリスト一歩手前(次同じ人物が関わった作品で不快になったらブラックリストに入る)

 

一覧