超絶有名作品である「G線上の魔王」をたった今プレイし終わりました。
はじめに、一言だけ。
現代の人間がやっても全然面白いです。現代という言い方は少し不適切な感じがしますが、なんと表現するべきか…。アニメにしたって映画にしたってドラマにしたって、もちろんゲームにしたって、先駆者というのは最も褒められるべき存在であると私は思っています。しかし、何か良い点があればまねをし、悪い点があればそれを避ける。それが世の常です。前置きが長くなりましたが、この作品に既視感を覚えることはまずない、ということです。まあ私自身、この世のすべてのアニメ、映画、ドラマ、ゲームを知っているわけではないので断言はできないですが、これははっきり言ってこのシナリオを書いたか方にしか表現できない作品であると思っています。
まずは本作の概要について。
「あかべぇそふとつう」というエロゲ業界では相当な有名ブランドのまあまあ古い作品です。2008年、と聞くとどうにも複雑な気分になります。というのも今から10年以上前という言い方をすれば、古いなぁと思うのですが、とらえようによってはそれほど前という感じもしない、、、
とまあそんなことはひとまず置いておいて、この作品ははっきり言ってエロゲプレイヤー(ユーザー?)界隈では言わずと知れた名作と散々言われていたものだからです。
ストーリー等については、ここでは語りません。予備知識0でプレイしてもらわないと評価が大きく下がりかねないですし、その状態で楽しんでほしいとシンプルに感じたからです。
・簡単な構成について
4ヒロインのうち3人はBAD ENDとHAPPY ENDがあります。
簡易的な図にしてみました。例のごとく見づらくて大変申し訳ない、、
4人中、3人はH(appy end)とB(ad end)があるといいましたが、全体の構造としてはこんな感じになっています。
まず3人に関しては、ストーリー全体の流れの過程で各ヒロインルートへと分岐します。そしてその分岐した先でまた分岐します。
しかし、4人目に関しては話が違ってきます。各ヒロインルートへと進まず、ストーリーを進行していった先に、4人目のヒロイン、メインヒロインといっていいでしょう、グランドルートというのか、まあこの作品らしいエンドを迎えます。
わかりやすいことに本作は1~最終章まで、章ごとに区切られています。
以下、若干のネタバレ含みます。
まずは攻略推奨順についてですが、
まあ、そりゃそんなことわかるわって感じですよね。ただ、攻略サイトだけはきちんと見た上でやるべきかと思います。でなければ意図せず、、、ということもありえますので。
しかし、本当にそれでいいのかなぁ、なんてジレンマも感じます。
制作側が選択肢を与えたのは、果たして攻略サイトを見てほしかったからなのか。そんなわけないんですよね。楽しんでほしい、とそう思ったからですよね、きっと。
しかし、特にこの作品に関しては事実として推奨攻略ルートは間違いなくあるのでそれもなんともなぁ、という。そんな感じです。
まあ、紛らわしいことをいいましたが、私個人としてはやはり攻略サイトを見て、推奨に従うのがもっとも作品を味わえるのではないかと思うので、それを勧めます。
ノベルゲーとしての側面を楽しみたいのならば、やりたいようにやってみる。
シナリオゲーとしての側面を楽しみたいのならば、攻略サイトを見ながらやってみる。
これが一番だと思います。
では、あとは感想をぐだぐだと。
まさか泣くとは微塵も思っていませんでした。
こんなこと自慢でいっているわけではないのですが、一番わかりやすいところで言うと私はアニメのCLANNADのアフターを見ても泣きませんでした。あと感動系の有名どころというとなんだろ。まあワンピースのチョッパーの話とかとにかく有名なたいていの感動ものを見ても涙は出ませんでした。感動していないわけではないんです。上述した作品、特にCLANNADなんかはとても感動はしました。心に響くものは間違いなくありました。でも涙には至れなかった。そんな感じでした。これ友達に言ったら、人間じゃねぇと吐き捨てられてしまいましたが、、、
でまあこんな自分がですよ、まさか涙を流すとは、はっきり言って驚きました。感動はもちろんしていたのですがそれよりもどこか自分自身を客観視して驚いたなぁ、って気持ちが強かったです。
でまあプレイし終えての感想ですが、
ああ、これは間違いない、神作品です。アニメ化でもしていれば名作アニメとして語り継がれていたでしょう。
シナリオについて、すべてのルートを含めるとまあそれなりに長かったです。ただ同時に私としてはこれぐらいはあってもらいたいと思いました。
はっきり言いますが、日常シーンにおけるギャグやノリについては、現代の感性の私にとっては少々寒かったです。
しかし、全体のストーリー、魔王との駆け引きに関してはこの作品の上をいくものはないと感じましたね。このライターさんのミスリードのうまさには本当に肝を抜かれました。ああ、なんだそういうことか、これもしかしてそういうことじゃね?とか思っていたそれすらも先を行かれましたね。いや、本当にすごい。頭脳戦がメインということもあってこっちもある程度警戒はしているわけです。しかしそれすらも想定内といわんばかりの展開を見せてくる。ボキャ貧すぎてすごいとしか言い表せませんが。()
次に、なんなんでしょう。めちゃくちゃわかりやすくいうと、悪である相手に肩入れしてしまったかと思えば今度は逆の立場に肩入れしたくなる。というか。そしてその上で投げかけられているように思ってしまうんです。悪とは、正義とは、と。まあ、過剰評価路線に入ってしてしまうことはよくないのであまり深く読み過ぎないようにはしましたが。そう感じてしまいましたね。やはり決定的に価値観に介入してくるなにかを感じずにはいれませんでした。
ついさっきまではいくらでもいいたいことがあったのですが、こうして少したってくるとあまり言葉が出てきません。
基本的にすべて面白いですが、5章以降の怒濤の展開には目が離せません。私は最終章で泣かされました。
ただ日常シーンと個別ルートには退屈かあなぁ、と思いましたね。無論ストーリーの上で必要なことは重々わかっているのですが。そこに関しては作者の面白いと私の面白いが合わなかったのが一番大きな要因なのかなとは思います。
総評
この作品は間違いなく、神作品だと思います。
この先、何年たったとしてこういった系統の作品が出たとして、これを超えることがあるのかと本気で思います。
プレイする前は、こんな古いのがおもしろいのかねぇ、勝手に過大評価されているだけでは、と本気で思っていました。事実、やはりシステム面、イラストに関しては古いことは間違いないです。
私は神作品、伝説級の名作とはどんな条件があるのか。その一つとして、これだけははっきりいえます。誰にもまねができない作品であること。
その意味においても間違いなく神作品だったと思います。
古いのにすごい、というよりは古いからこそなのかもしれません。むしろ最近のジャンルのマンネリ化にはほとほとあきれます。
過去の記事でもいいましたが、感想と書いている以上は読者の方に勧めるためではなく自己満のための記事です。なのでどうこういうつもりは毛頭ありませんが、私はこの作品を知ることができてよかったと心から思っています。やってみて後悔することはすくなくともないと思います。
すいません、うだうだと。
もし興味をもたれた方がいましたら、しつこいようですがプレイする上での個人的な警告です。
この2点です。ちなみに一つ言っておきますと、あれ、なんかこの声きいたことあるなと思ったらその人です。特に魔王はめちゃくちゃ有名なあの方なので。
それと、画像検索とかはぜっっったいにやめておきましょう(フリじゃないです)。おもしろいものをおもしろくなくしてしまう危険性が一番高いです。
それでは次の記事でお会いしましょう。