徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)

更新は超不定期です。書きたくなった時にふと書いてます。参考になれば幸いです、なんて言ってる人は信用してはいけません。参考になれば幸いです。

餓鬼の戯言【創作彼女の恋愛公式】感想1


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おはようございます。お久しぶりです。

今回も、とある作品の感想です。

思えば前回エロゲをプレイしたのはちょうどこの年末の時期だったわけですが、奇妙な縁というか、ちょうどその時期にやった作品と類似した作品でした。

今回やった作品【創作彼女の恋愛公式】ですが、これをどうしてやろうと思ったのかは凄く単純な理由でした。

と言うのも今回、私がこの年末年始に一作何かやろうと思うにあたって条件は一つだけでした。

それは、比較的最近の作品をプレイすることです。

余談ですが、私は割と古い作品(2010年前後)をやることはそこそこありました。そしてこれは割と自明な話で、その時期は界隈としても盛り上がっており、いわゆる名作と呼ばれるものが多々あったからですね。

とまあ少し話は逸れましたが、要するに「では最近の作品はどうなのか?」ということです。常日頃(は言い過ぎですが)耳にするのは「エロゲは衰退した」という言葉です。

私もそうだと思っていました。

でもブランド、Qruppoの作品をプレイして見方が少し変わりました。具体的に言うと、「もしかすると最近の作品でも名作はあるのでは無いか」という考え方に変わってきていました。

界隈の衰退イコール作品の劣化ではなく、単に人が減ってきているだけだ、ということです。であればそれを知らないままでいることは勿体ない。そして、冒頭の話に戻りますが、最近の作品をやってみて本当にそうなのか確かめようと考えました。

では次になぜその最近の作品という括りの中で本作が選ばれたのかと言う話ですが、これもまた単純な話で、萌えゲーアワード2021大賞受賞作だったからです。

私は正直このアワードをそれほど信頼はしていませんが、本作は大賞だけではなく他にも4つの賞を受賞していたんです。中でも重要なのがシナリオ賞。ここまでのカタログがあれば必然的に「どれほど面白いんだ?」という興味も湧いてくるというものです。なんせそこまで複数の賞をとりつつ、大賞とシナリオ賞を同時に受賞している作品はあまりにも珍しいので。

というわけで私は「2021年最も優れた作品だ」と見なして本作をプレイすることに決めました。

まあしょうもない前置きはさておき、感想に入ります。

以下、ネタバレしかありません。プレイする気がない方以外はプレイしてから読むことを強く推奨します。

 

 

 

 

結論から言います。ありえないです

何がありえないのか、と言うとこの作品が大賞とシナリオ賞を受賞したことが、です。

具体的に話していきたいところですが、今回はあまりにも話すことが多くもあり、少なくもあるのでいつまで続くか分かりません。私としては過去一長くなることを予想していますが。

 

必ず触れておかなければならないであろう点について初めに触れます。

そもそも文章のレベルが中学生か、なろうで燻っていると思い込んでいる4流のそれです。3流ではなく、です。3流すらおこがましいと思えるほどに話になりません。酷すぎてもはやため息が出ます。

具体例を挙げていきます。

一点目。接続詞が適切に使えていない。

これだけでは分かりにくいと思うので補足です。例えば「〜ですが、〜ですが、〜です。」といったような、一つの文章で接続詞の重複と多様と、不適切な接続詞が見受けられます。

 

二点目。存在しない単語を使っている。

こちらも補足しておきます。例えば「瘴気に当てられる」、こちらは「毒気にあてられる」というものであれば存在していますが、その場合不適切な用法になるのでそれと間違えた、という言い訳もできません。次に「ホワイトアウト」。こちらもこのような英語のイディオムは存在していません。あとは「鼻を伸ばす」、こちらも「鼻の下を伸ばす」なら分かりますが、鼻を伸ばすのは人間ではありません。

もちろん他にもありますが、キリがないぐらいにこういった日本語の不自由さがあるので今回はこの程度でやめておきます。

 

三点目。これが最も多いし、読んでいて最も気持ち悪くなります。三人称と一人称の混在です。私も別に赤ペン先生気取りでは無いので、基本的に他人の文章に善し悪しをつけるつもりはありませんが、本作に関してはそういうレベルではありません。商業作品がこのようなことをするのは許されるのでしょうか?

こちらはあまりにも不愉快だったので具体例を用意していませんが、賢い方であれば既に察しておられるかもしれません。一応もう少しだけ補足しておくと、三人称視点で書く地の文と一人称視点、すなわち主人公視点での地の文が混在していて、頭がおかしくなってきます。

まあこれに関しては体感してもらうのが一番早いと思います。信じ難いことに世の中にはこんなことも分からないで作品の評価をくだしている、狂った人間がいるようですが、この記事を読んでいるあなたが、国語を最低限ちゃんと学習していて、ラノベや小説を読んだり、ノベル要素のあるゲームをプレイしたことがあれば、この違和感は看過できないものであることがわかっていただけると思います。特に、ライターのような文字を書くことを仕事としている方であれば吐くのでは無いかと思いますね。

 

とまあ、抑えましたが、こんな最低限のことも出来ていない作品が本作です。あまり詳しくはありませんが、なろうにごまんとあるくだらない小説ですらこのレベルのものを見つけるのは難しいと思います。素人以下、という言葉以外に適切な言葉がありません。これが原価で約1万円で売られているというのは下手な宗教よりも悪質だと言わざるを得ません。

 

まあしかし、それでもシナリオが良ければいいですよね。いえ、良くは無いですが、その場合、文章を書く上での最低限の礼儀が分かれば名作となりうるということなので、磨けば光る、と言えます。

しかし、問題はこの程度の最低限すらできていないで当たり前のように作品を世に出している人間が、果たして面白いシナリオを書くことが出来るのか、ということにあります。

結論から言いますが、やはりそんなことはありません。茶番ということすらできません。これはもはやストーリーということも不可能です。後々、評価記事は残す予定ですが、ストーリーは論外です。

ざっくりと説明しておくと、

何かが起きる

強引にすぐに解決

何かが起きる

⬇(以下、同じ流れ)

 

という感じです。この構造自体はそれほど問題はありません。しかしそれ以外に問題があります。

キャラゲーとは、ストーリーと言うよりもそのヒロインや主人公、その他登場人物が困難にぶち当たって葛藤して、それを乗り越えていく、というようなヒューマンドラマ要素が必然的に多くなってきます。そしてその過程をどう描くか、そのキャラクターをどう掘り下げていけるのか、というのがその作品の価値にも直結してきます。

そして、本作は圧倒的にキャラゲーの部類です。であればこの「乗り越えていく課程」という部分は本作の価値とも言えるわけですが、それがことごとく壊滅的です。風呂敷を広げて畳めない人間も大概ですが、そもそもこの人は広げることすらできていません。この広げられなさが、あまりにも論外。

オマケにもうひとつ言っておくと、話が断片的すぎて物語に没入できない。無駄な部分は省く、これは当たり前のことですが余計な部分があるのに必要な部分は飛ばされる、なんてことをしてツギハギの状態ではストーリーなんて感じられるわけもありません。その判断もできないなら全てつけてください。私にはライターが面倒で省いたようにしか見えない。キャラゲーでそれはないでしょう。

あとは本当にそのキャラクターが動いている様子とその場所の雰囲気を理解しましょう。このライターが書いているのはその辺がむちゃくちゃです。映像にしたら凄まじく変なことになっている場面が多々あります。

 

本当になろうの下層以下のお話のクオリティです。なろうであれば無料なので何も問題はありません。ですがこの作品は違います。

もう一度言いますが、こんなものが1万円という価格で売られているのは異常です

 

 

そして、このストーリーが目も当てられないぐらいに酷いものとなっていることにはもう一つ理由があります。そしてそれが次の話でもあります。

この作品、キャラが生きていないんですよね。キャラクターと言うよりはただのチェスの駒です。作者によって言わせたいことを言わされているだけの傀儡です。キャラゲーなのに、です。

一例ですが、引きこもりとなった人がどうして引きこもったのかを読者に伝えたいと思った時あなたはどうしますか?

これは今考えた例なので拙いですが、「主人公とその引きこもりの人が外を歩いていた時に偶然その引きこもりに関係した人物に会う」または、「引きこもった過去に関係するものを見てトラウマが蘇ったことがきっかけで、最終的に話さざるを得ない状態にする」などがあると思います。

この作品の場合、どうしたと思いますか?

正解は「過去を乗り越えたいから自分が引きこもった理由を聞いて欲しい、と言って話を聞かせる」です。こんなむちゃくちゃなことがありますか?しかもその理由はいじめです。それを自分から話すんですよ。引きこもりの子が。これといった出来事もなく突然に。

この例で、私が言っていたことの意味が少しは伝わっていれば幸いです。

要するにこのライターは、風呂敷を広げられないしドラマチックな展開も何にも思いつかないから強引に消化したんです。そのキャラにとって重要な要素である「引きこもりの過去」を。

こんな頭のおかしい、人間とは思えない傀儡にキャラクターとしての魅力を感じますか?私は1ミリ足りとも感じませんでした。これは特に酷かった例でしたが、ほかのヒロインもこういった感じで作者に操られています。これがキャラゲー?1万円?そんな馬鹿な。

 

さて唐突ですが、あまりに長くなったので前半はここで終わります。