徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)

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1割のシナリオゲー【金色ラブリッチェ】 感想をようやく書く。ネタバレ祭


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前回の記事では、エロゲーというものに対して色々と語ることになってしまい、結局何も感想を書けなかったわけですが、さすがにこの記事では書こうと思います。

 

ちなみに前回の記事はこちら

言うことなし【金色ラブリッチェ】感想と言いつつ愚痴ろうと思ったらエロゲについて語ってしまった。 - アニメ評価と徒然eroゲ

 

…まあまだ色々と思うところはありますが、早速いきましょうか。

ネタバレは死ぬほど含みます。むしろネタバレしなければ話すことは何もない。

 

 

 

 

まずこの作品はベースとしてキャラゲー9割、1割シナリオゲー、という感じになっています。(私の中では)

で、巷で評価が高いのはこの1割の部分の話です。ここがまあとても素晴らしいということで拍手喝采らしい。

そうですね、まずはこの1割-理亜ルートについて話します。

結論から言うと、良かったと思います。

良かった、というのはエンドはもちろんの事として飽きない展開だったりとかそういった総合的な事を含めてです。

ですが、少なくともシナリオという一点について着目して考えた際に最高とはとてもじゃないが言えない。これは批判的な意味ではありません。良いけど、最高ではないということです。

以降、その理由。

まず、理亜と央路がフランス映画だかなんだかを見るシーンがありますよね?しかも2回、同じものを。これは露骨にこのシーンに意味があるよ〜、と言っているのうなものです。そこで、死んで感動はつまらない、という意味合いの事をわざわざキャラクター(ここでは理亜)に話させているわけですが、最終的にはその映画と同じようなエンドを辿るのがこのルートとなっています。ここについては意見が両極端になると思います。まず前提として理亜が死ぬことは大方予想が着きます。その上でのこのシーンですよね。

片方の意見。『あえて』。あえてこのシーンを作った上で死を与えたと。そこが深いなぁと。

私は全くそうは思いません。

展開読めるし、伏線として機能を果たしていないと。そう思うのが私の意見です。

このあえて、という表現に逃げているように思えてしまいました。『どや?深いやろ?なあ?』って感じに安直さを感じてしまい、ここがマイナス。あくまでですが、私としてはやはり(ありがちな)ご都合主義で構わないので、死ぬべきではなかったと思ってしまいましたね。なんか散々多用していた湖の話で何とかならないのかと()。そもそもご都合主義が気に食わないという心理は、ご都合主義が気に食わないのではなくて、こちらが望んでいない作者の身勝手さが気に食わないのです。(これは持論なので適当に流しといてください)

つまり、この場合のご都合主義は不快感を招くことは無かったと思います。それにこの作品にハッピーエンド以外は似合わない。とも思いました。前述しましたが9割がキャラゲーですからね。

まあ色々言いましたが、私は別に理亜の死が悪かったとは全く思っていませんし、方向性として全然アリだと思っています。ただそうであれば上述した点は避けるべきだったのではないか、ということです。

 

シナリオという点についてですが、エンド以外。つまり起承転結で言う所の起〜転(あんまり分かってないですが)までの話です。ここについては退屈しない程度によくできていたと思います。(まあそもそも前提として読むだけのもので退屈させないってかなり難しいことだと思うんですがね。なのでここはすごいと思います。)

総合的にこの理亜ルートに関して言えば、若干過大評価ですが、名作に勝るとも劣らない、という感じでしょうか。 

 

次に9割のキャラゲーとしてのお話。

あぁ、ダメだ。やっぱりキャラゲーは私のような人間にはどうも合わない。てのが純粋な気持ちです。恐らくキャラゲーとしては及第点というか、いい部類なのかもしれませんが私にとっては退屈でした。個別ルートに入るとなおのこと退屈さが増して、正直苦痛でした。そのルートのヒロインについてさほど掘り下げる訳でもなくて結局『はーい、よかったねー』みたいな感じで(適当)。

しかし、前の記事でも述べましたが全てプレイした上でどうこう言うのが私のスタイルなので何とか完遂しました。ギブアップする方の気持ちも分からないでは無い…。特にこれだけ巷での評価が高い訳ですからそれなりに期待した人はとても多いはず…。

総合的に、キャラゲーとしては良かったのでは無いでしょうか。よく分かりませんが。

 

次に気になった点について。

一点目

これは思った方もいるかもしれませんが、主人公-市松央路がまあ嫌い()。

その原因は各所に見受けられますが、主人公が好まれない作品って名作にはならないことが多い印象です。そりゃ主人公ですからね、本来一番かっこよかったりとか良いシーンを貰えるにも関わらず嫌われるようでは純粋に作者の能力不足としか言えません。というか主人公の発言って作者の投影だと私個人は考えていて、要はその主人公という存在でだけ作者の本性というかその人の中身を垣間見ることが出来ると思っています。なので主人公が気に食わない作品というのは大抵そのまま作者が気に食わないという事になります。(あくまで私はですが)

で、そうなってくるとどうなるかと言うと、作品自体の評価に少なからず影響が出てくるわけです。こういう意味では主人公が作者のある種の投影のようなものというのはあながち間違っていないのかもしれませんね(とか自己防衛的な発言をしておく)。

二点目

過去の出来事の貢献度が異常。

これは過去の出来事というか3人(+絢華)が出会うきっかけとなったキャンプでの事です。主人公はそもそも覚えてすらいないこの出来事が現在(学園での話)にどんだけ関わってくるんだ、という話です。理亜ルートなんてなんならほぼここが原点というか核というか、そんな感じですし。別にひとつの出来事が核になるというのは全然いいと思います。やはり過去との繋がりというのが深みを出す上では最も手軽で最も効果的ですし。でもここで問題なのはその出来事の軽さです。軽さ、という表現は曖昧な感じですがこれが一番適しているかと思います。なんて言うか軽いですよね、諸々が。その軽さに反して貢献度は超ウルトラ高いというこのギャップが気に食わない。それならもう少し重く(ここで言う重いというのは言葉通りの重いではないです)するのか、或いはそれ相応の貢献にするか、どちらかにすべきだったのではないかと思います。もしくはそれが気にならないようなシナリオを作る。これはもう少し具体的な話をすると、例えば…すいません、いい例が思いつきませんが胸熱なシーンって割と『いや、タイミングよすぎ』とか『運が良かったな』とかいう事が多いですが、その時、その瞬間はそれに気付きませんよね?それだけ引き込まれているからです。それと同じような事が出来ていれば、つまりこちらにご都合主義すぎる、と気付かせなければ、あるいはそう思わせなければいいわけです。(まあ相当に困難ではあると思いますが)

まあ今言ったような3つが出来ていなかったので気になったなぁというのがひとつ。

三点目

これは前に書いた記事と同じことになるのですが、

『ボソボソ言うから聞こえなかった』とか『なんか言ったか?→いや何も』ってやつ、やめないか?

ということです。これについて書き始めるとイライラして延々としょうもないことを垂れ流すことになるので、あまり深くは言いませんが、こういう文章を書くやつは全くもって好きになれない、というか嫌い。だってこのシーンがなくてもいいのにわざわざ書いているから。蛇足だから。しかもその蛇足の与える不快感が(私にとっては)かなりのもの。このライターの方は読む側(少なくとも私)とは噛み合わないようですね。ほんとこのタイプの鈍感なやつ嫌い。

 

 

まあそんなこんなで感想はこの辺で終わりです。

色々言いましたが、キャラゲーとしては素晴らしい作品、シナリオゲーとしては悪くは無い作品、というのがこの作品だと思います。

なので、この作品はゴミだ!と言っているわけではないということだけはご理解頂きたいです。

私がここで散々グチグチ言ってきたことに対してどっかしら共感できた方は他の記事もぜひ読んでみてくれると嬉しいです。(まあほぼいないとは思いますが)

で、金色ラブリッチェをよく思っている方からすればサツ(何となくあえて漢字は避けました)意が沸いてくるかもしれませんが、こういう意見もあるということは胸に留めておいて欲しいです。少数とはいえ、こういう考え方もあるということを。

 

それではまた次の記事でお会いしましょう。