徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)

更新は超不定期です。書きたくなった時にふと書いてます。参考になれば幸いです、なんて言ってる人は信用してはいけません。参考になれば幸いです。

イカれている小説を読んだお話。〜エロゲを始めたきっかけかもしれない話を添えて〜

こんにちは。今回は百年に一回の、雑談をする記事です。と言っても、とある作品に関してのお話なのですが、本サイトでは取り扱っていないコンテンツなのでギリギリ雑談かなという判定でこのようにしました。

それが、こちらですね。


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「世界でいちばん透きとおった物語」

この界隈に詳しい方でしたら、それはもう、よく聞いたタイトルではないでしょうか。

こちらは小説でして、何と言っても特徴的なのは今の時代に紙媒体でしか販売していないということです。(そのせいで買ってから今日まで読まなかったのは秘密)

私自身、活字が苦手、というかあまり好きでは無い人間でして、小説はまあ普段そんなに読まないのですが、読む時は必ず全て電子書籍で読んでいます。漫画とかもそうです。昔は紙で読むのが当たり前じゃったんだが……という回顧話は置いといて、とにかく今どき全てと言っても過言ではないぐらいに漫画、小説問わずほとんどのものは電子書籍化しています。そんな時代に紙媒体のみってもうこの時点で何かヤバそうな雰囲気がしますよね。(いい意味で)

まあ、この記事自体、雑談であり、尚且つこの作品を読んでいるであろう前提で書いているので本当になんの意味があるのか分かりませんが、どこぞの狂った私の雑談に興味があるけどこの作品のことを知らない人(そんなものは存在しない)向けにこの作品を一言で言うのであれば、

どう考えてもまともじゃないとしか言えない。

というのが率直な感想です。

私のボキャブラリーで表現できる範疇にありません。とにかく唖然としてしまって読後感は、しばらく無になりましたね。

まあ、読む価値があるかどうかと言うのは言えませんが、私はハッキリと読んでよかったと言えます。

 

というわけで、感想書くぞ書くぞ書くぞ……

※以下では、ネタバレを含みますので、本作を読んでいない方は読まないでください。勿体ないことになります。

 

 

 

 

 

 

 

さて、では早速感想です。と言っても毎度の事ながら雑感ですが。

まず一番初めに言うべきところは、何よりも本作の構造でしょう。上述したように、私はあまり小説、特にガチガチのやつに関しては全くと言っていいほど読まないので、もしも既存でこれと同じアイディアがあるとしたらこの作品の独創性というのは大きく損なわれてしまいますが、おそらく無いと思いますのでその体で話していきます。

私も「なんがすごい作品があるぞ」って聞いて読んでいるので、何かしら凄いところがあるんだろうなとは思っていたんですが、これは分かりませんでした。いや、種明かしされてしまえばなんということもないどころかどうして気が付かなかったんだ、というレベルなんですがこれが凄いところですよね。「言われたらわかる」のと「言われる前からわかっている」のではまっっったく話が違うんです。この、「言われる前からわかっている」かどうかというのは、私がとても重要視しているところで、ごちゃごちゃした言い方をしましたが要するに、「その発想を生み出した第一人者である」ということが何よりも素晴らしいことなんです。俗にいうファーストペンギンだとかってやつです。私は何か作品を見たり、プレイしたり、読んだりするにあたって、この独創性というのを何よりも評価しています。それはこのような理由からで、まあ要はその辺にいる、変わった作品が好きって言ってるちょっとうざいヤツらの一人が私です。

実はエロゲを始めるきっかけになったのはこの考えが理由なのですが、それはさておき、とにかくこの作品にしかないもの、と言える何かがある作品は本当にひと握りで、その時点で価値があると私は考えます。もちろんその中でも面白いかどうかというのはやはりあるのですが、凡作だらけでちょっと変えただけなんてのより、仮に面白くなくても尖っている方が圧倒的に好きですし、何よりも尊敬しています。それだけ凄いことです。

とまあ、話が逸れましたが、その中でもこの発想はまさに、ありそうでなかった。いや、あったとしても誰も実現できなかったと言うべきでしょう。これをまず考え、そして実行した本作はそれだけでとにかく素晴らしい作品と言えるでしょう。

加えて最後の『     』についてですが、種明かしからもうひと展開あると言うのは純粋に評価できます。種明かしされ、締めくくりに入るのかな、という半ば退屈な時間に最後のもう一押しまで考えられているのはそもそもの物語の構造としてとても良かったと思います。最高の終わり方です。

 

さて、本作の魅力は基本的には今言った点に尽きるのですが、実はまだ目立っていない良かった点はあります。それは何かと言うと、これだけ分かりそうで分からない超特大の爆弾を種明かしまで隠し通したことです。

これはどういうことかと言うと、例えば話が退屈であれば、興味が失せ、段々と内側の物語に集中できず、そういった外側の部分に目が向いてしまいそうなものです。つまり、種に気づいてしまう可能性があるということ。ですが、実際には種明かしされるまで全く気が付かなかった。これはつまり、この要素を差し引いてもストーリーがそもそも読ませるように作られているということです。まあ回りくどい言い方をしましたが、普通に面白いということです。と言っても例えばこれが普通のミステリー小説として売られていて面白いと答えるかと言うとおそらく言いません。あくまでこの構造の上に乗ったお話として面白い、という感じです。

 

あとは、この私(読者)が読んでいる小説はこの小説中でこの作者が書いた小説だ、みたいな設定って、少ないですけどあると思います。その中でも私としては、本作は特にそこに納得出来たというか、受け入れやすかったです。それは多分このストーリーが整合性が取れていて、うまく纏まっていたからなんだと思います。

まあ整合性という点に関して細かいところを挙げると、いくつか気になる点もあります。

・本妻がむちゃくちゃ過ぎやしないか?(一人だけ浮いて非現実的すぎるように思える)

・父親が最後にこのストーリーを書こうとした動機が特にない

 例えばこの辺りですが、まあここはある程度ご都合ということで許容できる範囲ではあるので、特に深くは掘り下げないことにします。強いて言うなら、という感じです。

 

 

まとめ

久しぶりにかなり長々と書いたような気がします。いったい誰に需要があるのやら、というともちろんありません。私のこの読み終えた直後の感覚を記録しておきたいとうのが何よりの理由なのでそこはまあ許してください。久しぶりに記事を書きたくなるような作品に出会えたのでこうして書いてみることにしました。この作品に出会えてよかったと思います。