徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)

更新は超不定期です。書きたくなった時にふと書いてます。参考になれば幸いです、なんて言ってる人は信用してはいけません。参考になれば幸いです。

【殻ノ少女】評価


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※本記事はネタバレを含みません。

 

概要

・作品情報

ブランド:Innocent Grey

作品名:殻ノ少女

発売年:2008年

ジャンル:サイコミステリィAVG

 

・あらすじ

昭和三十一年、三月。
敗戦から十年が過ぎ、在りし日の姿を取り戻しつつある街、東京。
私立探偵の時坂玲人は、井の頭公園にてひとりの少女から変わった依頼を受ける。

「捜して欲しいんだ。――私を。本当の、ね」

同時期、巷では奇妙な猟奇犯罪が多発していた。
少女ばかりが誘拐され、身体の一部と子宮を切除されて殺される。
警視庁捜査課の魚住は、昔馴染みで元同僚の時坂に事件の調査を依頼する。

保谷町の端にある、私立櫻羽女学院。
時坂の妹紫が通う此処で、女学生がふたり行方不明となっていた。
学院の教頭の佐伯時生は、紫の兄である時坂に捜査を依頼する。

時坂は三つの依頼を同時に受けた。
佐伯の頼みを聞き入れる形で女学生の情報を探る為に櫻羽女学院へ教師として潜入する。

そこで――彼女と再会した。
朽木冬子。私を捜して欲しいと依頼した少女。
彼女は鈴の転がるような声で、少年のような口調で言う。

「やあ――また逢ったね、探偵さん」

犠牲者は増えてゆく。
簡単に思われた女学生の捜査すらままならぬ事態。
行方不明者と身元不明の遺体との数が合わない。

そして新たな犠牲者に選ばれたのは――

終わらぬ惨劇の輪廻。
新たな事件と共に訪れる、六年前の事件の謎とは――?


悲劇だらけの世界の殻を打ち破るのは、少女の微笑みなのかもしれない。

(公式より引用)


 

データ

・プレイ時間

約37(時間)

※同じシーンはスキップした上での時間です。

 

・構成

 やや複雑なので説明します。構成としては基本的に1本のストーリーなのですが、そこに至る過程でいくつか枝分かれというより派生している感じです。説明が下手で申し訳ないのですが、イメージとしては少し違いますが、特性要因図が近いと思います。


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一本ルート(トゥルーエンド)が通っていて、そこに至るまでの選択肢でそれぞれ異なったENDに到達するという感じです。まあニュアンスで感じとって貰えると助かります。

 

・推奨プレイ順

特になし。個別ルートという程のものが存在しない。

 

・備考等(あれば)

美少女ゲームアワード(2008)BGM部門:金賞

〃プロモーション部門:金賞

〃シナリオ部門:優秀賞

〃グラフィック部門:優秀賞

 

・その他

難易度がかなり高いと言えます。単純にTRUE ENDのみを目指す場合においてもかなり前の部分の選択肢一つで変わってくる箇所が何ヶ所もあります。

また、軽いですがグロ要素はありますのでご注意ください。

 

 

評価(/100)

各5点の全10項目で評価し、最終的にD〜Sでランク付けする。

 

尚、重要と考える項目は太字で表記し、点数も2倍とする。中でもストーリー展開は3倍(太字斜体)。

Hシーンの必要性に関してはサブ項目に過ぎないため、加算しない。

詳細は以下のページに。

評価基準と考え方 - 徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)評価基準と考え方 - 徒然防備録(エロゲ、アニメ評価感想その他諸々)

 

システム:2

上述したように難易度の都合上、初見ではまずTRUE ENDには至れないため、かなり繰り返すことになるが、その繰り返しの過程があまりにも不親切。

 

BGM:2

量としては多くないが普通と言えば普通。だが、そのBGMが不適切ではないと思える部分があった。

 

CG:3

量としては普通〜やや多という印象。だが、重要な場面において不足していた箇所が多かったと感じたため、4-1=3となった。

 

演出:4

良かったと思う。5にならなかったのは上述したCGの関係。

 

立ち絵枚数:3

普通〜少。

 

キャラクターデザイン:2(×2)

難しいところだが、キャラクター性と言うよりは話上での立ち位置として、という感じが強かった。表面的だと感じた。

 

ストーリー展開(共通):4(×3)

ここではTRUE END以外を共通とする。その上で全体として面白い箇所もあるにはあるが、満点とは言えなかった。

 

ストーリー展開(個別):3(×3)

TRUE ENDを個別とする。正直なところ、本作のみでの評価としては良いとはあまり思えなかった。

 

快適性:3(×2)

あくまでシナリオという点のみを見れば退屈と感じる箇所はそこまで多くなかった。しかし、通常では使わない漢字を使っておいて読み仮名が振られていない箇所がいくつかあったのが引っかかった。

 

終わり方:3(×2)

何ともという感じ。悪くないがよくもないといった印象。

 

完成度, クオリティ:5(×3)

ここに関しては文句は無い。一つの作品として完璧なものだったと思う。

 

Hシーンの必要性:1(×0)

かなり邪魔だった。これがなければもっとテンポがよかったと思う。はっきりいって不要。

 

合計:66/100

ランク:B

 

総評

本作は、ミステリーものということで「推理パート」、「捜査パート」というものがあり、いかにも自分が探偵になったかのように動けるようにできている。その点に関しては斬新ではあるし、個人的には好みだったが、この部分がスキップできないことがどうしても評価を下げざるを得なかった。また、難易度が高い、言い換えればめんどくさい作品であるにも関わらず、不親切な箇所は多かったと思う。

あまり無いが、そういった外側の要素が作品の評価を下げている作品だと感じた。話としては、かなり完成度は高く、プレイしていて驚かされることもあり、楽しめた。

システム面や不要なHシーンを取り除いてもう一度ブラッシュアップすればもっと評価は良くなると思う。が、それでも総合的に考えて名作と言うには及ばない。

上述した推理や捜査という単語に心を惹かれた方はプレイしてみても良いかもしれない。個人的には、オススメはしない